工事の概要

約23kmの導水路延長のうち、地下に埋設された管路が約18kmとそのほとんどを占めています(残りの5kmは開水路といって、一見すると普通の川のような人工の水路です)。この管路工事は、管を埋める深さ、管の上にあたる部分の土地の利用状況などによって、2つの方法が使い分けられています。

開削(オープン掘削)工法

あまり深くないところに管を埋める場合、埋める場所が道路の下で土地の制約が少ない場合などに採用される方法です。

地下を掘った時に土が崩れてこないようにまず鉄の長い板(鋼矢板)で壁をつくってから、中の土を掘ります。出来上がった空間に地上からクレーンを使って鉄でできた管路を吊り下ろし、溶接しながらつないでいきます。

 

推進工法

比較的深いところに管を埋める場合、埋める場所の上に家屋があるなど、土地の制約がある場合に採用される方法です。

まずトンネルを掘る機械や管などの材料を入れるための空間(立坑)をつくります。その後、機械で地面の中を横方向に掘りながら、機械の後を追うように管を入れていきます。この時、管は最初の立坑からジャッキで押されながら前に伸びていきます。

 

ポンプ場の工事

ポンプが置かれる地下室や川から水を取り込む部分などをつくる土木工事、ポンプなどをつくる機械工事、エンジンや操作室などが入る建物をつくる建築工事からなっています。

調整池の工事

調整池は、元々田畑であったところを掘ってつくられています。

掘られた土は約200万立方メートルとヤフードーム1.2杯分にもなりますが、資源の有効利用とコスト縮減のため、ダンプトラックで近くの区画整理や道路工事などに運ばれ再利用されました。