河川・水辺の生物図鑑 植物 ヤナギタデ
種名・学名

ヤナギタデ Persicaria hydropiper

分   類

タデ科

地 方 名  
特 定 種  
写   真
形   態

茎は高さ30〜60cmで無毛である。葉は長さ5〜10cmで、噛むとひどく辛い。淡緑色で先だけ赤い小さい花を集めた花序は下向きに垂れる。

生育時期 春地上に落ちていた種子から芽生え、花期は8月から9月までである。
生育環境 河川の水辺によく生育する。
習   性 各花の雄しべの花粉が雌しべに付き、実を結ぶ。花そのものは地味であるが、晩秋に紅葉して全体に美しくなる。紅葉後は枯れて、その年の内に死滅する。翌年落ちた種子から新しく芽生えて成長する。時にはまとまった群落を作っていることがある。一年草である。
分布状況 河川敷や水辺に普通に生育するが、やべがわでは、本川の中流域に分布している。
そ の 他 北海道から沖縄までの水辺に多く生える在来種である。タデ類の中では昔から水湿地にごく普通に見られ、現在それほど減る傾向にはないようである。葉は香辛料としてタデ酢に用いられ芽は刺身のつまに用いられる。噛むと辛いことは昔から知られており、「タデ喰う虫も好きずき」という諺の中のタデはヤナギタデのことである。似たような場所に生えるボントクタデに似て間違われやすいが、ボントクタデの方は茎が有毛で、噛んでも辛くない。