旧春吉橋は、昭和36年(1961年)架設から60年以上が経過しており、下部工の損傷が著しく、感潮区間(河口から約1.5km)にあるため、塩害も進行していました。さらに基礎が木杭であるため、地震に対する十分な耐力が期待できませんでした。
また、旧春吉橋が架かる那珂川は、平成21年(2009年)7月の中国・九州北部豪雨で流域に甚大な浸水被害が発生しており、福岡県で河川改修事業を進めています。旧春吉橋は橋脚の間隔が短く、川幅も狭くなっていたため、治水上のネックとなっていました。
これらの課題を解消するため、平成25年(2013年)度より、旧春吉橋を架け替える事業に着手することとなりました。
河川の流下能力向上に向けた河川改修事業を行っています。
整備前
整備後
径間長が短く、治水上のネック箇所となっていました。
春吉橋架替事業と合わせて河川改修事業(福岡県)を行うことにより、治水能力が向上します。
平成21年7月豪雨(平成21年7月26日)
(住吉橋右岸より上流側を望む)
旧春吉橋周辺の道路の冠水状況(平成21年7月26日)
(住吉橋左岸より上流側を望む)
福岡市地下鉄七隈線は、福岡市西南部地域の慢性的な交通渋滞を緩和し、効率的で利便性の高い公共交通体系の確立を図るとともに、均衡あるまちづくりを推進するため計画され、平成17年2月3日に橋本〜天神南間を開業しています。
現在、安全対策に万全を期しながら、天神南〜博多間の延伸事業を進めており、令和4年度開業を目指しているところです。
延 伸 区 間 | 天神南~博多 |
建 設 キ ロ | 約1.4km (営業キロ 約1.6km) |
建 設 費 | 約587億円 |
開 業 予 定 | 2022年度(令和5年3月) |
工 法 | 全線地下式(開削工法、シールド工法、ナトム工法、アンダービニング工法) |
乗 車 人 数 | 約8.2万人(需要定着後)(うち新規利用者数※は約2.3万人) ※マイカーなどから乗り換えて新たに地下鉄を利用する人数 |
西南部からの移動だけでなく、市内各方面から来られた方の都心部での移動についても、移動時間が短くなり、利便性が向上します。
七隈線の延伸を契機として、まちづくりの目標を示す「地下鉄七隈線(天神南~博多)沿線まちづくりガイドライン」が官民共働で策定されるなど、都心部の活力と魅力の向上が期待されます。