「川辺川ダム事業における環境保全への取り組み(平成12年6月)」
への質問に対する回答(平成12年11月1日)


 

  Q1.  川辺川ダム事業における環境調査等について、準備書・評価書を作成するなど環境影響評価法の手続きをとるべきではないですか。
 また、補充の調査、予測、評価は今後とも積極的に実施してもらいたい。
  A1.  川辺川ダム事業においては、今後とも、各分野の専門家の指導を受けながら必要な調査を行い、その結果を公表してまいるとともに、地域の方々にも充分に説明を行い意見を聞きながら具体的な環境保全対策を実施していくこととしています。
 なお、川辺川ダム事業については、特定多目的ダム法第4条第1項に規定する基本計画の最新の変更の告示が平成10年6月9日に行われており、環境影響評価法附則第3条第1項及び環境影響評価法施行令附則第3条第1号の規定により、同法第2章から第7章までの規定は適用しないこととされています。
  
  

(第4章 調査結果及び保全への取り組み)

  4.4 植物・動物・生態系

  2)動物

  Q1.  鳥類の調査時期(表4.4.1.2-6)について、ヤイロチョウはさえずり活動が盛んな5月下旬を中心に回数を多く、ヤマセミは留鳥であるので通年調査して、生息実態を把握すべきである。
  A1.  ヤイロチョウの生息調査は5月下旬から6月上旬にかけて行っており、調査時期は適当であると考えます。
 また、ヤマセミは留鳥であり、行動範囲は季節によって大きく変わりません。したがって、特に行動圏を把握しやすい繁殖期に調査を行っております。
  Q2.  コシジロヤマドリ(環境庁レッドリスト準絶滅危惧)は、重要な亜種としてリストアップすべきである(表2.1.5.2-2)(表4.4.1.2-8)(表4.4.2.2-2)。
  A2. ヤマドリは森林を生息環境としており、事業によりその生息環境の一部が減少すると考えられますが、事業区域外には生息環境と考えられる森林が広域に分布しており生息生育環境の保全(「4.4.2.3陸域の生息生育環境」参照)をもって保全が図られると考えております。
 なお、これまでの調査ではコシジロヤマドリの特徴を確認できておりませんが、コシジロヤマドリであるか否かについては、今後も調査を継続していきます。
  Q3.  一般的に生息する鳥類の種類は広葉樹林(二次林)の方がスギ・ヒノキ植林よりも多いといわれているが、本調査では広葉樹林(二次林)17種、スギ・ヒノキ植林25種と逆転している(表4.4.1.3−3)。
 さらに、スギ・ヒノキ植林ではトビ、サシバ、ハイタカの猛禽類が出現しているが(図4.4.1.3−(2))、広葉樹林(二次林)には出現せず(図4.4.1.3−2(1))、鳥類相として疑問である。
  A3.  広葉樹林(二次林)及びスギ・ヒノキ植林においてそれぞれ10箇所以上コドラートを設けて調査を実施していますが、1コドラートあたりの平均確認種数や平均個体数は、広葉樹(二次林)の方が多い結果となっています。
 また、広葉樹林(二次林)では、エナガ、ウグイス、ヒヨドリ、メジロ、シジュウカラ科、キツツキ科等に比べ頻度は低いものの、サシバ、ハイタカなどの猛禽類も確認されています。
  Q4.  重要な種への影響については、個々の種について行動圏、繁殖地、採食地、休息地等への事業の影響の予測とその回避、低減の保全策を、もっと具体的に示してもらいたい(4.4-123)。
  A4.  事業の実施による影響について検討が必要と考えられた重要な鳥類への影響は、「川辺川ダム事業における環境保全への取り組み」の4.4.2動植物の生息・生育環境の保全への取り組み:4.4.2.2動物(重要な種):2)重要な種への保全措置:表4.4.2.2-6(P4.4-129〜130)に示すとおりです。
  Q5.  山地を流れる川16.3kmが減少するとあるが、これにより生息場所を失う水辺の鳥類のヤマセミ、カワセミ、セキレイ類、カワガラスへの影響を記すべきである。
  A5.  「山地を流れる川」には、ヤマセミ、セキレイ科、カワガラスなどからなる鳥類相がみられますが、広域でみた場合、残存する「山地を流れる川」において生物群集の種構成に大きな変化は生じないものと考えられます。




【クマタカ】


  Q1.  ダム湛水等によりコアエリアを横断する形で地形の改変が行われるつがいの影響はどうなっていますか。
  A1.  コアエリアや繁殖テリトリーを横断する形でダムの湛水や付替道路による地形の改変が行われるつがいについては、現時点でこのような場を生息環境としているいくつかの事例はあるものの、既存の知見では改変による影響を予測しがたいため、今後も生息状況について調査を継続していきます。
  Q2.  クマタカの調査結果については、「熊本県クマタカ調査グループ」の調査結果とにズレがあるように思われますが、お互いのデータを照らし合わせてズレの原因を検証する必要はありませんか。
  A2.  クマタカの調査については、今後とも継続して実施するとともに、球磨川流域の自然環境に関する調査を行っている地域の住民及び団体への説明を十分行っていくこととしています。
 クマタカの調査グループとは8月7日、10月4日に意見交換を行ったところであり、今後も必要に応じ、調査グループと意見交換を行っていくこととしています。

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