会員・読者の声 台風の傷深く 秋の山寂しげ

台風の傷深く 秋の山寂しげ

 今年ほど里山が元気のない姿を見せるのも珍しい。相次ぐ台風が紅葉する木々の葉、そしてカキやギンナンの実を吹き飛ばし落としてしまったからだ。里山の木の実を餌にする動物たちだけでなく私の楽しみまで奪ってしまった。
例年なら里山を歩くとじゅうたんを敷きつめたような鮮やかなコントラストの道がある。赤、黄、だいだい色などの落ち葉は踏むのをちゅうちょしそうになるくらい美しい。さくさくと心地よい感触が足元から伝わってきて心を癒やしてくれる。だが、今年は紅葉しないまま落とされた葉が枯れ葉となってわずかに山道の上にぱらぱらと散らばっている。
秋が深まり寒暖の差が大きくなった。台風を何とかしのいで残ったイロハモミジが紅葉を始めた。しかし、燃えるようなつややかさはない。紅葉をお目当てに里山を訪れるハイカーたちから、今年はどこもダメだなとため息がもれる。今年の里山の秋は寂しい。

坂田 春海智(福岡県水巻町)

  • 前へ
  • 次へ

PageTop