重点事項に関する説明資料

1. 国際交流基盤整備について
  博多港アイランドシティ地区の航路、大水深コンテナ岸壁整備及び当地区への鉄軌道、自動車専用道路導入支援
     博多港では、既存の香椎コンテナターミナル等において、年間約43万個の外貿コンテナが取り扱われ、年10%と大幅な伸びを示し、ターミナルの輻輳が顕著となっており、このため、港湾機能の強化だけではなく、新たなみなとづくり・まちづくりとして、新たな産業の集積拠点・研究開発拠点の形成、快適な都市空間の形成を目的に、アイランドシティの平成20年度の完成を目標に、整備促進しているとともに、港湾機能の強化を図っているところです。
 アイランドシティーへの鉄軌道の導入は、福岡市の広域交通ネットワークを充実させるとともに、地域間の連携強化や交通負荷の低減などを目的とするものと認識しておりますが、ルート、需要、採算性など解決すべき基本的な課題も多く残されていることから、今後、地元関係者間において、これら課題について議論をさらに深めていくことが必要であると考えています。
 自動車専用道路の導入構想の実現に向けては、広域的な交通ネットワーク形成の観点や、関連事業計画進展などを踏まえ、検討を進める必要があり、関係機関とも調整を図りつつ、必要な支援を行ってまいります。
  新福岡空港の早期実現
     新空港の検討について、国土交通省としては、構想の成熟度、航空需要 の動向を見つつ、今後新北九州空港や佐賀空港との連携を含め対応を検討してまいります。
2. ネットワーク型交通体系の構築について
  国道202号福岡外環状道路、国道3号博多バイパスの整備、福岡都市高速道路の整備
     福岡市の都市機能を強化し活力ある街づくりを進めるためには、都市構造を一極集中から分散型ネットワークへ転換するなど、環状道路等の体系的整備が重要と認識しております。
 このため、国道202号福岡外環状道路や国道3号博多バイパスなど早期に供用が図られるよう事業を推進してまいります。
   
福岡外環状道路(16km) 事業中
博多バイパス(8km) 事業中
     福岡都市高速道路は、高規格幹線道路と連携した放射環状型の自動車専用道路網を形成し、都心と市街地周辺との連結により、都市内の交通混雑の緩和を図り、都心との連絡強化を図ることを目的として整備を促進しており、早期開通にむけて事業を推進してまいります。
   
福岡高速道路(整備計画56.8q:内31.5q供用中)
福岡高速1号線(百道〜福重)(5.3q) 事業中(平成13年度開通予定)
福岡高速4号線(粕屋〜福岡IC)(1.9q) 事業中(平成13年度開通予定)
福岡高速5号線(18.1q) 事業中
  地下鉄3号線の整備及び西鉄宮地岳線と地下鉄2号線との相互直通運転実現など既存鉄道の機能強化
     福岡市3号線については、福岡市南西部における道路混雑の緩和を図るとともに西鉄との結節による鉄道ネットワークの拡大により、沿線地域の交通利便を向上させ、活性化を促進させる観点から極めて有効な施策として地下鉄補助制度の対象事業として平成7年度に採択されたところであり、平成17年度の開業に向けて現在鋭意整備中であります。
   
(参考)
  計画概要
    建設主体 福岡市
    運営主体 同上
    整備区間 天神〜橋本   12.7km(建設キロ)
    工事期間 平成7年度〜平成17年度
    総建設費 3,231億円
     また、西鉄宮地岳線と地下鉄2号線との相互直通運転については、平成11年度、12年度の2ヶ年にわたり財団法人運輸政策研究機構が行った都市鉄道調査において調査、検討が行われましたが、事業化に向けて事業主体、無償資金の確保、需要喚起方策等の課題があります。今後、福岡市を始めとする地元関係者において、これらの課題について検討をさらに深めていくことが必要であると考えています。
 国土交通省としても、今後の検討状況を踏まえつつ適切に対処してまいります。
3. 安全で安心して暮らせるまちづくりについて
  筑後川総合開発(大山ダム、小石原川ダム)
     水資源に乏しい福岡市の水道用水の安定供給に対しては、新たなダム等の水資源開発施設が必要不可欠であり、現在、筑後川水系において、建設中の大山ダム事業と実施計画調査中の小石原川ダム事業が水資源開発公団により進められているところであります。国土交通省としても主務省として、これらのダム事業の促進について積極的な協力・支援を行っていきたいと考えております。
 なお、小石原川ダムの利水者の確定について、福岡市のご支援・ご協力をお願いします。
  渇水対策用五ヶ山ダムの建設促進
     福岡県内の補助ダムについては、県からの要望を十分に尊重して、適正な予算配分を行っております。
 そのなかで、五ヶ山ダムについては、昭和63年度より建設事業に着手し、平成8年に地元対策協議会と用地補償調査に関する協定を締結し用地補償調査を実施して、平成11年度までにほぼ完了しており、現在、補償基準についての協議を福岡・佐賀両県の地元団体と進めているところであると福岡県より聞いております。
 平成13年度はダム実施設計、道路、橋梁設計等の諸調査の実施について5億円の事業費を配分しています。
  御笠川など主要2級河川の改修
     福岡市域を流れる御笠川、那珂川、多々良川など、福岡県を代表する主要な2級河川であり、今後とも福岡県と協調し安全で安心できるまちづくりを目指した治水事業を進めてまいります。
 特に、平成11年6月豪雨災害を被った御笠川については激特事業として、平成15年完成に向け鋭意促進しているところです。
 また、那珂川、多々良川などについても河川管理者である福岡県に状況を伺いつつ必要な予算が充当されるよう調整を図っていく所存であります。
  公共下水道整備(雨水幹線等の整備)
     下水道については、都市における浸水対策も重要な役割であり、鋭意整備を進めているところである。特に、近年頻発している都市型水害に対応し、地下空間等の高度な土地利用が進展し、都市機能が集中している地域においては、緊急的に安全度を向上させるべく貯留・浸透も含めた効率的な都市雨水対策を重点的に進めていくこととしています。
 福岡市においては、平成11年6月の集中豪雨により地下街や地下鉄が浸水し、都市機能の麻痺など甚大な被害が生じたところであり、博多駅周辺等の都市機能が集積した地域等において、雨水幹線やポンプ施設等の下水道整備を積極的に推進してまいります。