どうも皆さん、こんにちは。今日は九州の知事、政令指定市の市長、そして経済界を代表する皆さん方と一堂に会してお話し合いができることに、まず心から御礼申し上げます。

 ご存知の通り、1月6日、北海道開発庁・国土庁・運輸省・建設省の4省庁が統合して国土交通省になりました。マスコミの皆さんも野党も押し並べて「扇さん、縦割りは無くなりませんよ。」とおっしゃいます。けれども、縦割りを無くすのはこれからの努力次第で、最初からできないよと言われたのでは、何のための行政改革か分かりませんので、まず、その縦割りを無くす。また、国民の皆さんから「扇さん、国土交通省になったら私達の生活のどこが変わってくるの?」というご質問もいただきますので、国土交通省になったらこう変わる。私はこういうことを申し上げるつもりで、8地方整備局と北海道開発局そして関東を北と南に分けて全国10のブロックで地方懇談会を開いております。2月から歩き始めまして、今日が全国最後、九州が締めくくりとなります。

 公共事業は、ばら撒きだ、無駄遣いだという看板をつけられますが、公共事業のおかげで今日の日本があると思います。モノをつくり、先進国に追いつけ追い越せといった20世紀、これはハードの世紀であったと思います。21世紀は、20世紀につくったモノをいかに品質保持をし、そして、20世紀のハードからソフト、環境やバリアフリーを含めた新たな公共工事が必要であろうと思います。

 皆さん方のお手元に、九州全域の10年前、現在、10年後の姿が見える地図を配っております。旧運輸省、旧建設省の公共工事や事業計画等を一枚の地図に載せてます。全国こういう地図を作ってみますと、例えば、ここには港があるけれども道路とアクセスが悪い、ということが分かるんです。そして、21世紀の日本がどうあるべきか、九州は日本の西、南の玄関口として何が必要なのか、空港は、港はいくつ必要なのか、そういうことを総合的に考えることができます。韓国の仁川に3月29日、4000メートル級の滑走路2本を持つ空港が開港し、2015年にはこれが4本になります。韓国のある方が「扇さん、4本仁川の滑走路ができたら1年間に1億人の観光客を受け入れる体制ができる。」と胸を張って言われました。観光をとってみても九州は地域に素晴らしい日本古来のものを持っていますが、点と点が結ばれなければいけないと思います。それぞれの県の特性をこれから生かし九州全体としてどうあるべきか、さらに日本全体としてどうあるべきか、知事さん、市長さん、経済界の方も一緒になって地図を見ながら、九州全体のグローバルな今後の歩み方を是非話し合っていただきたい。

 国土交通省としましては、地方整備局に予算の一括配分や許認可事務の委任をいたしました。今後は、知事さんのお忙しいのは分かってますので、各県の事務レベルの皆さん方と地方整備局とが、例えば、自分の県益を離れて九州のことを考えたら、今一歩下がることによって次は二歩前進できるのではないか、補助金、公共工事はどういう順番にするべきか、九州全体の発展のためにこういうことを話し合う懇談会を続けていただきたい。その第一歩として、私がレールを引きに来たわけです。

 この懇談会を通じて九州全体の21世紀のあり方をご論議いただき、皆さん方から忌憚のないご意見をいただきたい。また、全国歩いたものをまとめて日本の21世紀のグランドデザインを私はお示ししたい。そうしますと、「なるほど、これができればこの地域全体の経済効果があがるんだな。」と見えるようになる。それによって、ご理解が深まるものと思っております。

 大変お忙しいなかスケジュールをとっていただいたことに御礼を申し上げ、国土交通省にご協力賜り、こういう機会が続きますことを念じながら、御礼とご挨拶にかえさせていただきます。





 皆さま方には、常日頃から国土交通省の行政の遂行にご協力をいただき誠にありがとうございます。それぞれの地域で諸々の課題にお取り組みをいただいておることを承知をいたしておりますし、また、九州全体がアジアを見据えた政策の展開を図っておられることも承知をしておるところでございます。ただ今、大臣がお話申し上げましたように、皆さま方と国土交通省が一体となって、この地域の発展のために力を尽くしてまいりたいと思います。これを機会に一層の連携がとれますように心からお願いをし、簡単でございますが、ご挨拶とさせていただきます。


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