ちょっと昔(むかし)なら現地(げんち)にいて気象(きしょう)情報(じょうほう)を得(え)るには携帯(けいたい)ラジオが何(なに)よりの道具(どうぐ)だったけれど、今(いま)は携帯(けいたい)端末(たんまつ)という強力(きょうりょく)な武器(ぶき)がある。ノートパソコンや携帯(けいたい)iモードで気象(きしょう)情報(じょうほう)のホームページにアクセスすれば、かなりこまかいところまで情報(じょうほう)が手(て)にはいるようになったんだ。

電話(でんわ)による天気(てんき)予報(よほう)なら現地(げんち)市外局番(しがいきょくばん)のあとに177番(ばん)できけるし、気象庁(きしょうちょう)お天気(てんき)相談所(そうだんじょ)なら03-3214-0218（通年(つうねん)9：00〜17：00）でわかるよ。

また、国土交通省(こくどこうつうしょう)の川(かわ)の防災(ぼうさい)情報(じょうほう)(http://www.river.go.jp/)でもわかる。iモードなら「Yahoo!天気(てんき)」(http://mobile.yahoo.co.jp/)などがよくつかわれているよ。

国土交通省(こくどこうつうしょう)は、川(かわ)の水位(すいい)や上流(じょうりゅう)の雨(あめ)の量(りょう)などの情報(じょうほう)を、インターネットや携帯(けいたい)iモードで提供(ていきょう)している。これは全国(ぜんこく)26か所(しょ)に設置(せっち)されたレーダーによって雨量(うりょう)をはかって、最小(さいしょう)で5キロ四方(しほう)のエリアごとに雨量(うりょう)が表示(ひょうじ)される。また、全国(ぜんこく)1800か所(しょ)にある雨量計(うりょうけい)や、1000か所(しょ)にある水位計(すいいけい)の計測(けいそく)結果(けっか)も提供(ていきょう)される。この結果(けっか)10分(ぷん)単位(たんい)で更新(こうしん)された情報(じょうほう)が、手元(てもと)のパソコンや携帯(けいたい)電話(でんわ)で把握(はあく)できるよ。

アドレスは、(http://www.river.go.jp/)、iモードなら(http://i.river.go.jp/)。

日中(にっちゅう)に山風(やまかぜ)がふいていると雨(あめ)がふることがある。天気(てんき)予報(よほう)だけじゃなく、自然(しぜん)が発(はっ)する悪天(あくてん)のサインを見(み)逃(のが)さないようにしよう。たとえば、日中(にっちゅう)は上昇(じょうしょう)気流(きりゅう)により谷(たに)から山(やま)へふきあがる谷風(たにかぜ)が普通(ふつう)なのに、これが山(やま)からふきくだる風(かぜ)だとしたら、やがて雨(あめ)がふるとかんがえたほうがいい。

山(やま)の頂上(ちょうじょう)を覆(おお)う笠(かさ)のような雲(くも)は写真(しゃしん)に格好(かっこう)の材料(ざいりょう)だけど、これは上空(じょうくう)にしめった気流(きりゅう)がある証拠(しょうこ)なんだ。しめった気流(きりゅう)が独立(どくりつ)して峰(みね)の地肌(じはだ)の湿度(しつど)とかかわって笠雲(かさぐも)になるわけだから、おもしろい形(かたち)を楽(たの)しむ前(まえ)に、しめった気流(きりゅう)は天候(てんこう)がくずれるとかんがえ、気(き)をつけた方(ほう)がよい。

遠(とお)くの物音(ものおと)がよくきこえたら雨(あめ)が近(ちか)い、と昔(むかし)の人(ひと)の言(い)い伝(つた)えにある。高気圧(こうきあつ)に覆(おお)われているときは、空気(くうき)は乾燥(かんそう)して音(おと)も拡散(かくさん)してしまうけれど、空気(くうき)がしめっていると雲(くも)がたれこめ、そこに音(おと)がよく反射(はんしゃ)して伝(つた)わってくるのではないか。というふうに科学的(かがくてき)には説明(せつめい)できるのかもしれないね。たしかな根拠(こんきょ)はないけれど、参考(さんこう)にして悪(わる)くなさそうだ。

うろこ雲(ぐも)（巻積雲(けんせきうん)）が空(そら)を覆(おお)うようだと、天気(てんき)は急(きゅう)に悪(わる)くなるといわれるが、それより雲(くも)の塊(かたまり)のやや大(おお)きなひつじ型(がた)のひつじ雲(ぐも)も、おなじように急速(きゅうそく)に変化(へんか)する悪天(あくてん)のサインなので注意(ちゅうい)しよう。

日本(にほん)の渓流(けいりゅう)は険(けわ)しい谷(たに)なので、ひとたび雨(あめ)がふると、川(かわ)の水(みず)が一気(いっき)に増(ふ)えて、鉄砲水(てっぽうみず)となるケースが少(すく)なくない。雨(あめ)がふったらすぐに川(かわ)から離(はな)れる、が鉄則(てっそく)だよ。

発電用(はつでんよう)、農業用(のうぎょうよう)などのためにある取水(しゅすい)ダムは、安定的(あんていてき)な取水量(しゅすいりょう)を越(こ)えると放水(ほうすい)しなければならない仕組(しく)みなんだ。放水(ほうすい)されれば川(かわ)は増水(ぞうすい)するからで危険(きけん)だ。

まず地図(ちず)などで上流(じょうりゅう)にダムがあるかを確認(かくにん)しよう。ダムは洪水(こうずい)のときだけではなく、人(ひと)の手(て)によって放流(ほうりゅう)がおこなわれることがあるんだ。このような放流(ほうりゅう)があると、下流(かりゅう)の水位(すいい)は急(きゅう)にふえるかもしれない。放流(ほうりゅう)のときに安全(あんぜん)を確保(かくほ)するために、下流(かりゅう)に放流(ほうりゅう)をしらせるサイレンなどが設備(せつび)され、前(まえ)もってゲート操作(そうさ)の警告(けいこく)が発(はっ)せられる決(き)まりになっているんだ。注意(ちゅうい)して川(かわ)のそばを観察(かんさつ)すると、かならずそういう装置(そうち)がみれるはずだよ。しっかりと確認(かくにん)しておこうね。サイレンは休止(きゅうし)をはさんで約(やく)1分(ぷん)ずつならされ、とてもひろい範囲(はんい)に届(とど)くよう大音量(だいおんりょう)になっているよ。

川原(かわら)に草(くさ)のない場所(ばしょ)はよく水嵩 (みずかさ)があがる所(ところ)だ。砂防(さぼう)ダムのある所(ところ)は出水(しゅっすい)のときに土砂(どしゃ)の流(なが)れが多(おお)くなるよ。取水(しゅすい)ダムのサイレンは、現在地(げんざいち)ではなく上流(じょうりゅう)の降雨量(こううりょう)で発(はっ)せられる。川原(かわら)や中州(なかす)は少(すこ)しの水(みず)で水(みず)のなかに沈(しず)むし、川底(かわぞこ)の石(いし)はとても動(うご)きやすいんだよ。日本(にほん)の山(やま)のあいだにある川(かわ)は、少(すこ)しの雨(あめ)でも急(きゅう)に水位(すいい)があがることがある。雨(あめ)がふったらすばやく川(かわ)から離(はな)れよう。また、服(ふく)をきたまま水(みず)に入(はい)ると、泳(およ)ぎにくくなるから気(き)をつけようね。

流(なが)れがあると、水(みず)が膝(ひざ)の下(した)くらいの深(ふか)さでも足(あし) を前(まえ)にだすのがむずかしい。しかしどうしても渡(わた)らなければならない場合(ばあい)は、両足(りょうあし)は肩幅(かたはば)に広(ひろ)げ、底(そこ)にある石(いし)をしっかりふみしめる。前(まえ)にすすむ時(とき)に足(あし) をあげないで、すり足(あし) で一歩一歩(いっぽいっぽ)足場(あしば)を確(たし)かめてすすもう。このとき、大(おお)きい石(いし)と大(おお)きい石(いし)の間(あいだ)に足(あし) をはさんでしまわないようにしよう。丈夫(じょうぶ)なふとい枝(えだ)を杖(つえ)のかわりにして、前(まえ)の方(ほう)に突(つ)きながら進(すす)むと、足(あし) をうごかしやすいよ。

川(かわ)をわたるときは、むこうの岸(きし)のめざす場所(ばしょ)へまっすぐに向(む)かっても、どういうわけかそこより下流(かりゅう)に行(い)き着(つ)いてしまったことはない？流(なが)れに負(ま)けてないつもりでもズリズリと、すこしづつ下流(かりゅう)へおしやられているんだ。めざす方向(ほうこう) より45°くらい上流(じょうりゅう)をめざしてわたると、ちょうど目的(もくてき)の場所(ばしょ)につくことができるよ。

平瀬(ひらせ)、早瀬(はやせ)、ふかい淵(ふち)、流(なが)れのぶつかり、おおきい滝(たき)・ちいさい滝(たき)の連続(れんぞく)。崖(がけ)、水制(すいせい)、くずれた崖(がけ)、ゴロタ石(いし)のひろい川原(かわら)、中州(なかす)。砂防(さぼう)ダム、堰(せき)、ダム。などなど、一本(いっぽん)の川(かわ)にはいろんな表情(ひょうじょう)があり、いろんな危険(きけん)がそのなかには潜(ひそ)んでいるんだ。危険(きけん)を察知(さっち)するのは時間(じかん)のかかることだから、土地(とち)の人(ひと)の話(はなし)もきいて、学習(がくしゅう)しておこうね。

川(かわ)や海(うみ)など自然(しぜん)の水(みず)についての基礎(きそ)知識(ちしき)を身(み)につけたり、安全(あんぜん)に川(かわ)であそぶためのお話(はなし)をきいたりしよう。また、ボーイスカウトやガールスカウト、スポーツ少年団(しょうねんだん)など、いろいろな野外(やがい)活動(かつどう)を通(とお)して、安全(あんぜん)に川(かわ)であそべるよう学習(がくしゅう)しよう。