No.335 コンクリートの温度オンド応力オウリョク解析カイセキについて
  工事現場における役職 : その他
工事場所   : 熊本県
工事業種   : 土木(道路)
ご意見    : 発注者様より照査業務について検討を何度も繰返すよう指示があり困っております。


会社名    : 株式会社●●
氏 名    : ●●
電話番号   : ●●
メールアドレス: ●●


一部現場では現場工程にも影響が出ている状態です。
あるときは既に施工が終わっている箇所についても
「照査業務と差異があるので認められない」とし書類の再作成の指示がありました。
 
温度応力解析では、ひび割れ指数1.0を満足しなければコンクリート打設が出来ない状況になっており、
ひび割れ幅抑制を目的とした補強鉄筋など対策工の検討の余地が無い状況です。
書類上の要求には応えるよう努力しますが,短い納期の中で実現困難な対策工についても比較対象として
検討せざるを得ず構造物の品質確保やコスト面で貢献できているとは思えません。
数値のみを判断基準とし,本来の目的を見失っているのではないかと疑ってしまいます
専門評価機関や品質評価委員会の活用もないため,下請けとしては指示に従うしかありません。
 
  回答日:H30/5/28  
  「九州地区における土木コンクリート構造物 設計・施工指針(平成26年4月 九州地方整備局)」には、セメントの水和熱が大きくなる以下の@からBの構造物においては、温度ひび割れに対する照査を行い、ひび割れ指数が1.0以上であればコンクリート構造物の施工は可能であるが、1. 0未満であれば抑制対策の検討を行い、検討後に温度応力解析を行い、指数が1.0以上を確認した後に施工を行うよう記載されている。
しかし、温度ひび割れの発生を許容するが、ひび割れにより構造物の所用の性能が損なわれないように制限する場合は、ひび割れ幅の限界値を設定し、適切な方法で照査しなければならないと記載されている。
いただいた意見は、発注者が温度ひび割れの発生を許容する場合であっても、ひび割れ指数1.0以上を満足する必要があると誤解しているため、このような誤解が生じないよう研修等の場を利用して、設計・施工指針の記載内容の説明を行っていきたい。

●セメントの水和熱が大きくなる構造物
@ 広がりのあるスラブ状の部材で、厚さが80〜100cm以上のもの
A 下端が拘束された壁状の部材で、厚さが50cm以上のもの
B 比較的断面が大きく柱状で、短辺が80〜100cm以上の部材で、施工上水平打継目が設けられている構造物