No.390 バックホウのバケットによるコンクリート打設について
  2021/09/23 (木) 12:24

1.工事現場における役職は  = 現場代理人
2.工事場所は  = 鹿児島県
3.工事業種  = 土木(道路)
4.相談ご記入欄  = 会社名 =
お名前 =
お電話番号 =
メールアドレス =

バックホウのバケットによるコンクリート打設についてご教授ください。
現在、僻地で鋭意施工中で、資機材の調達に苦労しております。

この度、狭隘な急傾斜地でコンクリート打設することになり、
クレーンが配置できないためコンクリートホッパー打設ができない、
僻地にてポンプ車が調達できない、地形が悪条件で人力で生コンを運ぶことができない等の
理由によりバックホウのバケットで生コン打設する計画としたいと考えています。

施工の最低条件として、バケット内を水洗いして異物を除去します。
打設高さを1m以下として材料分離させない施工とします。
バックホウ稼働中は、作業員が旋回範囲内に立ち入らないようにします。
この現場に限らず、バックホウでコンクリート打設をせざるを得ない状況は多々あります。
極論、1.施工可2.施工不可 3.作業状況により可のどれに当たりますでしょうか?
2.施工不可の場合、理由もご教授ください。よろしくお願いします。
 
  回答日:R3/10/1  
  ご意見いただきありがとうございます。  

早速ですが、バックホウのバケットにおけるコンクリート打設についての回答いたします。
 バックホウ(車両系建設機械)の主たる用途以外の使用の制限については、労働安全衛生規則に
「第百六十四条 事業者は、車両系建設機械を、パワー・ショベルによる荷のつり上げ、クラムシェルによる労働者の昇降等当該車両系建設機械の主たる用途以外の用途に使用してはならない。
とされていますが、同条第2項第二号「荷のつり上げの作業以外の作業を行う場合であって、労働者に危険を及ぼすおそれのないとき」は適用されないとされています。

 一方、コンクリートの品質の観点からは、コンクリート標準示方書(施工編)において、現場内の運搬において、コンクリ−トポンプ、バケット、シュート、その他の運搬機械が記載され、バックホウによる運搬は明記されていません。
 また、その他の運搬機械の中で、手押し車やトロッコ等を用いて運搬する場合には、コンクリートの材料分離を防ぐために、できるだけ短い距離で運搬することを原則とするとの記載があり、運搬時の振動によりコンクリートが材料分離を生じる可能性があり、運搬路はなるべく平らな状態にし、運搬距離は50m〜100m以下を目安とするのが良いとも記載されています。
 ご質問の内容から現場状況は地形が平坦でないことが想定され、運搬による振動によりコンクリートが材料分離することが懸念がされるため、コンクリ−トの品質確保の観点から課題があると推測されます。

  このため、現地条件にもよりますが、前述の現場状況想定を前提として、コンクリートの品質確保の観点より、原則として、2施工不可と考えています。