第5回八代海域モニタリング委員会 続き


              
【6】議事要旨
議事

1.開会
2.挨拶
  八代河川国道事務所長 <省略>
3.議事
 (1)第5回委員会での指摘事項について
 (議論の要旨)
  ・懸濁態窒素や懸濁態燐も調査対象としてもらいたい。
   →現在まで実施していない。実施するか検討したい。【事務局】

 (2)モニタリング実施状況について
 (議論の要旨)
  ・事実として赤潮の件数が増えているが、これに対応した環境データが取得されていない。  
   もう少し詳しい調査を実施したほうが良い。
  ・赤潮に関して調査を実施するのであれば、TN、TPだけでは不十分である。また、底質は
   COD、強熱減量だけでは的確な変化を把握できない。溶存態のDIN、DIP、底質の
   TOC、TNがあるが、それらを使って評価したほうが良い。
  ・環境整備船による調査は、調査地点が八代海を縦断しており、この地点で水質の変化を見て
   いけば、かなりのことがわかると思う。このデータを整理してもらいたい。
   →環境整備船による調査結果についてはHPにて公表している。【熊本港湾・空港整備事務所】
  ・底質は、表層から5センチの層を採取していたら、年ごとの変化は把握できない。表層から
   1センチだけを採取すべきである。
  ・種リストにはゴマフタマガイとあるが、これは有明海・八代海でも個体数が少なく、貴重な種
   である。
  ・赤潮は増加しており、陸上からの負荷も増えていると思われる。出水時の負荷量が測定されて
   おらず、陸上からの負荷が過小評価されているのではないか。
  ・赤潮の問題は複雑な問題であり、事務局だけで調査、検討するのは難しい。何人かの委員でワ
   ーキンググループを作り、そこで検討したほうが良いと考えられる。
  ・水質は、流量を加味したフラックスで表現しないと負荷が見えてこないので、出水時を含め検
   討されたい。
   →現在取りまとめているデータは平水時の調査データが多く、出水時のデータはほとんどない
    状態である。出水時の調査については今後検討していきたいと考えている。【事務局】
  ・ノリの生産は2004年以降、減少傾向であるが、調査のほとんどが球磨川以南で実施されている。
   湾奥部の各種調査データの蓄積をお願いしたい。
   →湾奥部の観測ブイについては検討中である。【熊本県】
  ・何を解明するためにどのような調査を実施するのか、改めて検討する必要がある。ターゲット
   を絞って、それに即した形でデータを取りまとめる必要がある。
  ・金剛干潟のアサリは、そこで生まれた卵が幼生として着底していない。幼生の供給源が他の
   場所にあるのではないか。その場所を保護していけばアサリは増加するのではないか。
  ・この委員会で重要なのは赤潮の問題である。もう少し議事として取り上げて頂きたい。
  ・底生生物はスミスマッキンタイヤ型採泥器を用いて表層を採取しているだけである。表層だけ
   で評価されており、中層に生息する生物については評価されていない。このような調査を5年
   に1回実施する目的が良く分からない。
  ・大型底生生物の調査は目視観察で実施しているが、定量的な調査を実施したほうが良いと考
   えられる。
  ・定点の観測とあわせて、面で八代海全体を見るような視点が必要である。衛星データを用いれ
   ば、八代海全体の水温、クロロフィル等のデータを入手できる。そのデータを用いて点と面の
   両方からモニタリングしていくという視点が必要である。

 (3)八代海の環境保全へ向けた取り組みについて

 (議論の要旨)
  ・八代海で海輝がゴミ清掃を実施していることをこの委員会ではじめて知った。漁業者にはそ
   の活動状況が分からない状態である。情報を密にして、漁業者にも分かる形で実施していた
   だきたい。
   →ゴミが出る時は一気に出ることが多く、作業が行き届かないこともある。今後は、ゴミ回収
    の一層の効率化を図っていきたいと考えている。【熊本港湾・空港整備事務所】
  ・八代海全体をどのように捉えて、どのような環境を目指すのかを明確にした上で課題を抽出し、
   その課題に対してどのような取り組みをしていくべきか議論する必要がある。
  ・八代海の環境保全へ向けた取り組みを進めるにあたり、どの機関が費用負担するのかが欠落
   しているところに問題がある。現状だと熊本県と鹿児島県が主体になって進めていくことが
   よいのではないか。
  ・排水規制が変わるが、この規制によってどのくらい負荷を削減できるのか。今後、上乗せ規制
   により実際にどれだけ減らすことができたのかを把握する追跡調査が必要である。
  ・八代海の出口のところは水深が深いため、アマモ等の海草だけでなく、海藻(ワカメ)も増や
   していく観点も必要である。
  ・八代海全体として、湾奥は干潟の保全再生、南部では藻場の保全再生が重要である。最終的に
   は赤潮発生のない八代海をつくることを目標として、それに対するモニタリングをしていくこ
   とが重要と思われる。
  ・アマモは漁業者にとって重要である。八代漁協の周辺では平成18年度にアマモが繁殖した場所
   が発見された。日奈久でもアマモが生息している。ここでは、アマモの再生とあるが、具体的に
   はどのような取り組みを考えているのか。
   →他の海域でもアマモの再生が行われている箇所があり、それらの調査、検討結果を参考とし
    て、球磨川河口干潟でも取り組んでいきたいと考えている。その際は、漁協関係者の方たち
    にも協力を依頼していきたいと考えている。【事務局】
  ・定期調査地点の設定されていない、特定の領域からの排水についてはどのように考えていくのか。
   →農業関係では、環境保全型農業を推進し、減肥料、減農薬など環境負荷への削減に取り組ん
    でいる。畜産系でも畜産糞尿の適正処理法(家畜排せつ物法)ができており、野積みや素堀に
    よる不適正な処理が無くなった。現場指導も行われている。【熊本県】
  ・荒瀬ダムは撤去される予定と聞いているが、その上流の瀬戸石ダムの撤去は考えているのか。
   →撤去は考えていない。継続していきたいと考えており、御理解を頂きたい。【電源開発梶z

 (4)その他
  ・今回の議事要旨については委員長が確認したうえでホームページに掲載する



以上


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