Q1 国道に関する相談はどこにしたらよいですか?

国道の特定の場所をどこが守っているかは、路線または路線の箇所で異なる為、非常にわかりにくく、国道に関する苦情や相談をどこに話せばよいか、困ってしまうことがしばしばあると聞いています。
この為現在各地域で国道だけでなく他の道路を含めた相談などの総合窓口(道の相談室といいます)を設ける試みを行っています。道の相談室で利用者からの相談などを一括して受け付けて、その道路を守っている機関に伝え、そこで適切に処理することにより、利用者はどこが守っているかを知らなくてもよく、また窓口のたらい回しといったことは解消できます。
→「道の相談室」の問い合わせ先はこちら

Q2 国道とはどんな道路のことをいうのですか?

国道(正式には一般国道といいます)とは、高速自動車国道とあわせて、全国的な幹線道路網を構成する道路として指定された道路のことをいいます。
その主な性格は次の5つに分けられます。
(1)都道府県庁所在地と、政治・経済・文化のうえで特に重要な都市を結ぶ道路。
  [東京~大阪を結ぶ国道1号など]
(2)重要な都市または10万人以上の市と高速自動車国道か(1)の国道とを結ぶ道路。
  [大垣市~桑名市(国道23号)を結ぶ258号など]
(3)ニつ以上の市を連絡して高速自動車国道か(1)の国道とを結ぶ道路。
  [敦賀市~舞鶴市~京都府丹波町(国造9号)を結ぶ国道27号など]
(4)重要な港や空港などと高速自動車国道か(1)の国道とを結ぶ道路。
  [羽田空港~大田区(国道15号)を結ぶ国道131号など]
(5)国土の開発または利用上、建設・整備を必要とする都市と高速自動車国道か(1)の国道とを結ぶ道路。
  [成田市~宇都宮(国道4号)を結ぶ国道408号など]

Q3 国道は誰が造り、誰が守っているのですか?

国道は、国土交通大臣、都道府県知事または横浜市などの指定市の長が造り、また、守ることになっています。
国道の新設、改築すなわち「造る」ことについては、工事の規模が小さいものなどを除き、原則として国土交通大臣(実際は国土交通省各地方建設局、北海道開発局、沖縄総合事務所)が行います。
国道の維持、修繕その他の管理すなわち「守る」ことについては、国土交通大臣が行う「指定区間」と知事または指定市の長が行う「指定区間外」に分けて行っています。「指定区間」というのは、国道の中でも特に重要な路線で交通量が多く、整備がほぼ完了している区間をいいます。中には国道210号のように、福岡県久留米市から大分県湯布院町までは指定区間で、湯布院町から大分市までは指定区間外という路線もあります。
なお、北海道の国道は全線が指定区間になっています。

Q4 国道のバイパスが造られると、前からある道路はどうするのですか?

バイパスを造ると通常の場合、前の道路、たとえば県道などになって、地域住民の生活を守る道路として引き続き活用されることになります。

Q5 国道が新しくできると、その地方の産業にどんな効果があらわれますか?

国道ができると、その地方の産業が大きく変わってきます。
たとえば昭和63年に開通した本州と四国を結ぶ瀬戸大橋(国道30号)の場合、輸送時間の短縮により、農・水産業については、新鮮な野菜やとれたての魚を各地の市場へより速く確実に運ぶことができるようになりました。また、瀬戸大橋の利用によって人の行き来や物の輸送が便利になり、瀬戸内地方に工場や会社が増えるとともに、商品なども増加し、工業や商業の発展に役立っています。
その他、瀬戸大橋をはじめとする周辺観光地にたくさんの人々が全国各地から集まり、観光産業が盛んになり、岡山県と香川県の交流が増え、生活、行動の範囲が大幅に広がるなど、本州と四国が陸続きになることにより、中国・四国地方の産業・経済・社会のあらゆる面の活性化に大きくはたらいています。

Q6 国道の道幅・カーブ・交差点の形など、道路の構造はどのようにして決めるのですか?

車線の幅、勾配、カーブ、交差点の形など道路の構造は、「道路構造令」という法律でくわしく決められています。
国道のように交通量が多く、車のスピードも比較的高い速度を求められる道路では、車線の幅をゆったりと取り、勾配やカーブも緩いものとしています。
また、市街地やその周辺では、歩行者の安全のため歩道を設けたり、快適な環境づくりのため、街路樹を植える幅を余分に取ったりしています。しかし、現在ある国道の中には、もともと道路構造令に合わないものや、道路構造令に合わせて整備しても、その後、交通量が大幅に増えたりして、交通渋滞や交通事故の多発に悩まされている区間も数多くあり、こういう箇所では道路を広げたり、バイパスを造ったりする努力を続けています。

Q7 トンネルの照明はトンネルによってあったりなかったりしますが、どんな基準でつけられているのですか?

ルートが曲線になっていて採光が悪いとか、個々のトンネルの状況で照明の必要性が異なってきますが、およそ20m以上の長さのトンネルには照明をつけることにしています。なお、トンネルの出入口付近では、運転者の目が野外の明るさに順応できるよう、より明るい照明をつけています。

Q8 国道のパトロールはどのようにしてやっているのですか?

国道を守る為には、色々な状況の変化に応じた情報を速やかに入手する必要があります。この為国道を守っている国および地方公共団体の機関は、パトロールカーで定期的にパトロールして、道路の異常はないか、道路が不法に使われていないかなど、厳しい目で監視しています。パトロールは原則2日に1回、時には夜間にも行われ、また台風や地震などの異常な気象の時には特に念入りに実施して異常の早期発見に努め国道を守っています。
最近では、パトロールカーでのパトロールのほか、モニターテレビなどの情報機器を使って、常時道路を監視するシステムなども取り入れられています。
なお、道路利用者から提供していただく国道についての異常や事故などの情報も、国道を守るうえで大変有効にはたらいています。今後とも異常を発見した時は、情報の提供をお願いします。

Q9 国道のトンネルで火災や事故が起きたときの安全対策はどうなっていますか?

トンネルの中で火災や事故が起きると非常に危険です。そこで非常事態に備えてさまざまな安全対策がしてあります。
トンネル内の異常を知らせる為の非常用電話、火災感知器、非常警報装置などの通報装置は、直接道路を守っている事務所や近くの警察署、消防署が一体となって迅速な対策が取られるようになっています。最近ではビデオカメラや各種の自動計測装置などの監視・計測設備を備えているトンネルもあります。
このほか、消火器、消火栓、スプリンクラーなどの消火設備や、長大トンネルになると、緊急避難路を備えています。
これらの設備は、トンネルの長さと交通量などに応じて設置し、安心してトンネルを通行できるようにしています。

Q10 国道のいろいろな標識は誰が取りつけるのですか?

道路標識には、地名、交差点の方面及び方向・国道番号などを示す「案内標識」、交差点・踏切・信号機があることなどを示す「警戒標識」、通行止め・駐車禁止・一時停止などを示す「規制標識」及び、駐車可・横断歩道・安全地帯などを示す「指示標識」の4種類があります。
このうち、案内標識と警戒標識は、すべて国道を守っている国・地方公共団体の機関(道路管理者)が取りつけます。 規制標識と指示標識は、道路管理者と都道府県警察(公安委員会)が分担して取りつけています。

Q11 道路交通情報で「○○km渋滞」というのを耳にしますが、この情報はどんな状態のことをいうのですか?

テレビ・ラジオ放送の交通情報で使われている「渋滞」とは自動車の流れが滞り、車の列が、一定の長さ(およそ1kmないし1.5km)を超えた状態をいいます。
NEXCOや首都高速道路公団などの高速道路においては、この車の列の長さのほかに走行速度が一定以下(機関によって異なり、NEXCO、本州四国連絡橋公団は時速40km以下、首都高速道路公団は時速20km以下、阪神高速道路公団は時速30km以下)に落ちた状態の要素が加わります。

Q12 国道上で犬やネコの死骸は誰がかたづけるのですか?

道路にネコや犬の死骸が横たわっているのは、あまり感じのよいものではありません。また、これらの死骸のほか、最近は、道路上にゴミや空カンなどを捨てる人が多くて困っています。
これを放置しておくと、不快になるだけでなく、人や車の走行に危険ですから、道路管理者は見つけしだい道路の外の一定の場所に集め、後の処理は保健所や清掃関係の機関にお願いしています。
道路は、私たちの共有財産です。ひとりひとりが道路を美しく守っていくことを心がけましょう。

Q13 自動車でガードレールを壊してしまったのですが、どこに連絡したらよいですか?

ガードレールに限らず国道の施設を壊してしまった場合は、壊した人の負担で修繕していただくことになりますので、警察への連絡とともにその国道を守っている事務所か、または出張所に連絡してください。
壊れたたままにしておくと、さらに大きな事故の発生につながる恐れがありますので、できるだけすみやかに連絡をお願いします。

Q14 自動車の乗り入れ口を造る為、ガードレールの取りはずしと歩道の切り下げをしたいのですが、どんな手続きがいりますか?

無断でガードレールを取りはずしたり、歩道の切り下げなどの工事を行うことはできません。このような道路に関する工事を行いたい場合は、事前にその国道を守っている事務所か、または出張所に工事の申請をして、その必然性や道路を守るうえで支障の有無など総合的な審査を受けて、承認されれば工事をすることができます。ただし、費用は自己負担となります。
なお、工事を行う為には、この他にも工事箇所を管轄する警察署の許可が必要です。

Q15 国道の上に張り出した自分の商店の看板を取りつけたいのですが、どんな手続きがいりますか?

国道の上空も道路空間ですから、無断で取りつけることはできません。
事前にその国道を守っている事務所かまたは出張所に申請をして、許可を受ける必要があります(これを「道路の占有」といいます)。
許可の対象となる看板は、会社、商店の建物に自己の存在を表示する為の看板に限られ、歩道の上空に看板を設ける場合は、看板の一番低い部分が、路面から高さ2.5m以上なければならないなどの条件があります。
歩道に直接置く看板や歩道にはみ出して設置する自動販売機など通行の妨げになる危険なものの設置は禁止されています。
なお、看板を設ける為には、この他にも看板を設ける場所を管轄する警察署の許可が必要です。

Q16 国道の自動車交通を一時止めて祭りなどに使用することができますか?

全国各地の祭りには、国道を使って行われているものが少なくありません。たとえば、国道4号と7号で行われる「青森ねぶた」、国道6号で行われる東京「浅草三社祭」、国道58号で行われる「那覇大綱引き」などがあります。
なお、祭りなど通行以外の目的で国道を使用する為には、この他にも祭りの開催場所を管轄する警察署の許可が必要です。

Q17 国道を通行することができる自動車には重量や高さ、幅などの制限があるのですか?

道路を傷つけず交通の危険を防止する為、道路を通行する自動車に対して、重量や高さ、幅などの一定の制限を設けています。
制限を超えて道路を通行する場合は、道路管理者に特殊車両通行申請をして、その許可を受けなければ通行できません。
重量については、1台のトラックで運べる貨物量を増大させ、トラックの走行車両数を減少させるなど、交通の円滑化などに貢献する為に、平成5年11月から制限を緩和して、車両総重量の最高限度を、従来の一律20tから最大25t(セミトレーラーは最大28t)としました。