人々の生活は川を中心に始まり、川を仲立ちにして固有の風土が形成され、それぞれの時代風景や地域特性に応じて、川と地域との密接な関係が築かれてきました。

　延岡は五ヶ瀬川と大瀬川を中心に街並が形成された城下町であり、「水郷のべおか」といわれるように昔から豊かな水と自然に恵まれています。

　このように、豊かな水に恵まれていることは、同時に水害との闘いの歴史でもありました。そのことは水神様が数多く祭られていることにもあらわれ、先人達が川の恩恵とともに川を神聖なものとして敬いながら、水難を避け街を守ろうとするなど、川と共に生きていく上での切実なる思いが感じられます。

　平成6年、平成7年の調査で、地域の貴重な文化遺産としての水神様を国土交通省が管理している五ヶ瀬川、大瀬川、北川及び祝子川等において、皆様からの多くの情報をもとに交流を図りながら98箇所を訪ねることができました。

　今後はこの調整結果をもとに「地域づくり」と「人と自然にやさしい川づくり」について皆様とともに考えて参りたいと思っています。

　また、皆様にとって身近な川を見直すきっかけや、21世紀の社会に向けた新たな水郷「のべおか」のまちづくりを考えるとき少しでもお役に立てれば幸いです。