綾盆地東南部の綾南川(本庄川)のもっとも下流に架かる橋で、一般県道354号南俣宮崎線が通る。明治31(1898)年4月綾村に初めて欄干(らんかん)付き木橋の八日町橋が開通した。村人たちがわざわざ見に行くほど珍しいものであった。大正10(1921)年7月綾北発電所が運転開始の時、電灯一個が設置された。昭和14年(1939)3月に永久橋になり、昭和37年(1962)11月の架け替えの時に元町橋と改名された。長さ約88.6m、幅約4.5m。現在の元町橋は平成8年8月竣工、長さ約100m、幅約10m。橋名の八日町も元町も江戸時代から栄えた集落で、昭和の始め頃までは綾村の表玄関口であった。今はその面影もない。
八日町は八の付く日に蔵(くら)の出し入れが行われたことにちなむ。江戸時代には薩摩藩の米蔵があった。元町は元からの町の意味で、綾営林署の貯木場や商店の支店などもあり、山の産物を積み出す船が発着して賑わったという。 |