1.河川の総合的な保全と利用に関する基本方針  
  (1)流域及び河川の概要  

○大野川流域の説明

 大野(おおの)川は、その源を宮崎県西臼杵(にしうすき)郡祖母(そぼ)山に発し、竹田(たけた)盆地を貫流し、緒方(おがた)川、奥岳(おくたけ)川等を合わせて中流峡谷部を流下し、大分(おおいた)市戸次(へつぎ)において大分平野に出て、さらに判田(はんだ)川等を合わせ、大分市大津留(おおつる)において乙津(おとつ)川を分派し、別府(べっぷ)湾に注ぐ、幹川流路延長107km、流域面積1,465q2 の一級河川である。
 その流域は、大分・熊本・宮崎の三県にまたがり、大分県中部における社会・経済・文化の基盤をなし、自然環境や景観が優れていることから、本水系の治水・利水・環境についての意義は極めて大きい。
 流域の上中流部には、阿蘇(あそ)熔結凝灰岩が広く分布し、表土は黒色の火山灰で覆われており、台地、丘陵、谷底平野が形成されている。また、下流部には、川筋に砂礫・粘土等の沖積層が分布し、右岸山地には変成岩、左岸丘陵地には砂礫層等が分布しており、比較的平坦な地形をした河岸段丘と沖積平野が形成されている。
 大野川はうっそうと生い茂った深山の渓谷を抜け出ると、川幅も広くなり、火砕流台地に広がる山村の中を緩急を繰り返しながら流下し、下流域では広々とした穀倉地帯や市街部をゆったりと流れる自然豊かな環境を有している。

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