質問とその回答

質問1
肝属川水系の浸水想定区域図はどこで閲覧しているのか。また、住民への配布は?
質問2
過去の浸水区域図とどこが違うのか。
質問3
浸水想定区域の面積と水深毎の内訳は?
質問4
浸水被害が大きいのはどの地区か。また、その浸水深、浸水時間は。また被害額、被害人口、床上床下戸数の集計結果は?
質問5
高潮による浸水想定区域は示さないのか。
質問6
下谷川は洪水予報指定河川とはなっていないが、何故対象区域に入れたのか。
質問7
内水による浸水についてはどう表現しているのか。
質問8
はん濫したら必ずこうなるのか。無着色部分は浸水しないのか。
質問9
肝属川水系は堤防整備率が高いので、ほとんどはん濫しないのではないか。
質問10
小さな支川のはん濫はどうなっているのか。

質問1 肝属川水系の浸水想定区域図はどこで閲覧しているのか。また、住民への配布は?

肝属川の浸水想定区域図は、九州地方整備局、大隅河川国道事務所および同事務所のホームページにおいて、閲覧可能となっております。 この浸水想定区域図の一般住民への各戸配布は考えていませんが、関係市町村(鹿屋市、肝付町、東串良町)が作成するハザードマップの作成、普及、活用が期待されます。

ページ先頭へ戻る


質問2 過去の浸水区域図とどこが違うのか。

これまでに公表しているはん濫危険区域図(H6作成)や、はん濫シミュレーションCD−ROM(H11作成)においても、事前にはん濫による危険区域を市民に公表することで、水防への関心や、緊急時の避難行動に役立てるという目的は今回公表する浸水区想定域図と同じです。 今回の浸水想定区域図は、水防法の一部改正に伴い、法的に作成・公表が義務づけられたものであり、作成にあたっては、全国的にはん濫解析条件等のやり方の統一が図られており、精度的にもより向上が図られたものとなっています。

ページ先頭へ戻る


質問3 浸水想定区域の面積と水深毎の内訳は?

表−1に示す通りです。

項目 浸水面積(平方キロメートル)
総面積 〜0.5m 0.5〜1.0m 1.0〜2.0m 2.0〜5.0m 5.0m〜
メッシュによる集計結果 鹿屋市 1.39 0.41 0.38 0.52 0.08 0.00
吾平町 3.26 1.06 0.85 0.66 0.69 0.00
高山町 8.92 2.29 2.75 2.25 1.63 0.00
串良町 5.97 1.17 1.70 2.04 1.06 0.00
東串良町 9.60 1.17 2.87 4.36 1.20 0.00
合計 29.14 6.10 8.55 9.83 4.66 0.00
図上計測による集計結果 鹿屋市 1.47 0.48 0.38 0.45 0.16 0.00
吾平町 3.82 1.10 0.96 1.04 0.72 0.00
高山町 8.64 1.89 2.94 2.30 1.50 0.01
串良町 7.15 1.04 1.71 2.86 1.54 0.01
東串良町 9.79 1.82 3.25 3.56 1.16 0.00
合計 30.87 6.32 9.24 10.21 5.08 0.01

ページ先頭へ戻る


質問4 浸水被害が大きいのはどの地区か。また、その浸水深、浸水時間は。また被害額、被害人口、床上床下戸数の集計結果は?

浸水被害の大きい地区、その水深、浸水時間は表−2の通りです。また、被害額、被害人口、床上床下戸数の集計結果は表−3の通りです。

表-2 浸水被害の大きい地区

地区名 浸水深 浸水時間
山郷地区(串良川上流) 2.0m〜5.0m程度 11時間程度
波見地区 0.5m〜2.0m程度 15時間程度
宮下北地区 1.0m〜4.0m程度 12時間程度
下小原地区 1.0m〜3.5m程度 15時間程度
前田地区 0.5m〜2.0m程度 16時間程度
真角地区 0.5m〜3.0m程度 13時間程度

表-3 被害集計結果一覧表

市町村名 想定被害額(百万円) 被災状況 浸水別被災状況
人口(人) 家屋数(戸) 人口(人) 家屋数(戸)
床上 床下 0.5m 0.5〜1.0m 1.0〜2.0m 2.0〜5.0m 5.0m〜 〜0.5m 0.5〜1.0m 1.0〜2.0m 2.0〜5.0m 5.0m〜
鹿屋市 6,840.03 631 128 135 356 157 62 56 0 150 64 25 24 0
吾平町 6,818.25 871 189 142 380 220 213 58 0 145 86 79 21 0
高山町 36,285.48 3,728 1,127 368 1,095 1,718 725 190 0 437 697 289 72 0
串良町 14,550.66 907 322 46 137 211 114 0 56 184 85 43 6  
東串良町 30,636.97 2,062 604 242 670 674 317 401 0 269 275 138 164 0
合計 95,131.39 8,199 2,370 933 2,638 3,214 1,528 819 0 1,057 1,306 616 324 0

ページ先頭へ戻る


質問5 高潮による浸水想定区域は示さないのか。

今回の水防法の改正における浸水想定区域の指定は、水防法第10条の2の規定により指定を受けた洪水予報河川について浸水想定区域の指定を義務づけ、適切な避難場所の設定などの円滑かつ迅速な避難のための措置を講ずることにより、一層効果的な住民避難の確保を図ることを目的としています。 水防法第10条の4の規定によると、浸水想定区域を指定するにあたっては、当該河川の洪水防御に関する計画の基本となる降雨により、当該河川がはん濫した場合に浸水が想定される区域となっています。 このことから、今回の指定は水防法に基づく指定であることから、高潮による浸水想定区域は考慮していません。 また、一般的に洪水と高潮が同時生起する確率は小さいことから、今回は水防法に基づき洪水はん濫現象となる浸水想定区域のみを指定しています。

今後は高潮についても随時検討されるものと解しています。

ページ先頭へ戻る


質問6 下谷川は洪水予報指定河川とはなっていないが、何故対象区域に入れたのか。

下谷川は、流下能力の低い地点があり、しかも計画河床勾配が極めて急になっています。よって短時間降雨による水位の上昇が著しく恒に溢水はん濫の危険にさらされています。 また、肝属川本川とともに鹿屋市街部を流れていることから、危機管理上検討対象に含めるべきとの判断から、浸水想定区域対象としました。

ページ先頭へ戻る


質問7 内水による浸水についてはどう表現しているのか。

今回実施したはん濫シミュレーション計算は、計画規模の降雨による本川、支川(串良川、高山川、姶良川、下谷川)の破堤、溢水はん濫のみです。しかし、肝属川水系沿川は近年特に内水被害が目立っていることから、既往最大となった平成9年9月の内水湛水範囲を図示しました。その湛水深については、はん濫シミュレーションによる湛水区域と重複している部分についてはシミュレーション結果と同じとし、その区域外については詳細なデータがないことから、はん濫シミュレーション結果の最縁部の水深と同じとして表現しました。

ページ先頭へ戻る


質問8 はん濫したら必ずこうなるのか。無着色部分は浸水しないのか。

100年に1回起こる確立の洪水が発生した場合のはん濫シミュレーションに基づいた結果が図示されています。よって、これを越える規模の洪水が発生した場合には、無着色部分でも浸水する可能性はあります。 また、破堤もしくは溢水してはん濫した洪水流は、堤内地(堤防によって守られている側)の地盤高に従った平面部を流れたり、側溝等の水路や道路のボックスカルバート等を経て平面的に流れるシミュレーション計算を行っています。

地盤高については、対象河川流域を50mのメッシュに区切ってその中の4点の高さの平均高を、メッシュの代表地盤高として計算しています。この場合、機械的な平均値とともに現地状況を勘案した地盤高も考慮しています。また、水路やボックスカルバート等においても極力シミュレーションに反映していますが、実際の微地形等が100%表現できていない部分もあることから、無着色部における浸水が絶対にあり得ないということではありません。 よって、無着色部であっても、河川堤防に近接している地区や着色部の周縁部付近の地区においては、洪水時における十分な注意が必要です。

ページ先頭へ戻る


質問9 肝属川水系は堤防整備率が高いので、ほとんどはん濫しないのではないか。

肝属川の堤防整備率は、完成堤87%、暫定堤(高さ不足、幅不足)も含めると94%と全国的にも高い水準にあります。しかし、堤防は整備されていても、河道(河川水の流れる道)が100%確保されている訳ではなく、計画規模(100年に1回起こる確立規模)の洪水がきた場合、もしくはそれ以下の規模の洪水がきた場合でも、堤防を越えて溢れる危険性が高いのが実態であります。 また、肝属川流域の70%は、水に弱いしらすに覆われており、現在整備されている堤防もその築堤材料のほとんどはしらすです。よって、豪雨や洪水の時にはしらす地帯以外の一般地域に比べて、堤防が脆弱となり破堤する可能性があります。 今回の浸水想定区域図は、対象河川の全域において溢水、破堤すると仮定した条件でシミュレーションを行った結果です。

ページ先頭へ戻る


質問10 小さな支川のはん濫はどうなっているのか。

今回はん濫シミュレーションの対象としたのは、肝属川本川、支川串良川、同高山川、同姶良川、同下谷川の直轄管理区間です。よって、それ以外の支川等は対象としていません。 また、小さな支川については、本川や上記主要支川がはん濫する前に溢れている可能性が高く、いわゆる内水はん濫・湛水となります。よって、これについては、シミュレーションはしていませんが、過去最高の被害となった平成9年9月の内水湛水範囲を図示しているので、小さな支川がはん濫した場合の参考になると考えています。


ページ先頭へ戻る

前のページへ戻る