技術の伝来(6)

敵に勝つには敵から学べ~薩英戦争を契機にイギリスに学ぶ~

1863年(江戸時代)、前年の生麦事件をきっかけに、薩摩藩とイギリスによる薩英戦争が勃発し、薩摩藩は、町の一部や集成館を焼失するなど大きな被害を被った。これを機に西欧、特にイギリスの科学技術・諸制度を導入する必要性を痛感した薩摩藩は、「トーマス・グラバー」の仲介により19名の使節・留学生を派遣するなど、関係強化を図った。留学生はその後、明治新政府の高官として活躍するなど、日本の近代化に貢献した。薩摩藩は、派遣使節を通じイギリスから紡績機械など最新の機械を購入し、技術者を招いて直接指導を仰ぎ、1867年(江戸時代)に、集成館において日本初の洋式機械紡績工場である鹿児島紡績所の操業を開始した。

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主な施設

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尚古集成館、仙巌園

尚古集成館の建物は、慶応元年(1865年)に竣工した現存する日本最古の石造洋式機械工場「旧集成館機械工場」である。国の重要文化財であり、仙巌園の一部であるとともに世界文化遺産「明治日本の産業革命遺産」の構成資産である。
島津家別邸「仙巌園」は日本を代表する大名庭園で、桜島を望む雄大な庭園に加え、島津家当主が暮らした御殿もある。

所在地:鹿児島県鹿児島市吉野町9700-1
TEL:099-247-1551 (仙巌園)
ホームページ:仙巌園
https://www.senganen.jp/
定休日:年中無休
料金:庭園尚古集成館御殿:一般1300円、小中学生650円
庭園尚古集成館:一般1000円、小中学生500円
交通:バス停「仙巌園前」で下車
JR鹿児島中央駅から車で約20分
九州縦貫自動車道 鹿児島北ICから約20分
駐車場:有り(有料)


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旧鹿児島紡績所技師館(異人館)

島津家第29代当主忠義がイギリスから紡績機械を輸入して日本初の洋式紡績工場を作った際、その技術指導を受けるために招いたイギリス人技師らの宿舎として建設された建物。世界文化遺産「明治日本の産業革命遺産」の構成資産である。

所在地:鹿児島市吉野町9685-15
TEL:099-247-3401(旧鹿児島紡績所技師館)
ホームページ:鹿児島市
http://www.city.kagoshima.lg.jp/kyoiku/kanri/bunkazai/shisetsu/kanko/048.html
定休日:年中無休
料金:一般200円、小中学生100円
交通:バス停「仙巌園前」下車徒歩2分
JR鹿児島中央駅から車で約20分
九州縦貫自動車道 鹿児島北ICから約20分
駐車場:有り(普通乗用車6台・無料)


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薩摩藩英国留学生記念館

1865年に英国に渡り、最先端の技術などを学んで、日本の近代化に尽力した薩摩藩英国留学生を紹介する施設。外観は明治初期の赤煉瓦の壁面と、和瓦の屋根を組み合わせた「薩摩式洋館」をイメージしている。

所在地:鹿児島県いちき串木野市羽島4930
TEL:0996-35-1865(薩摩藩英国留学生記念館)
ホームページ:薩摩藩英国留学生記念館
http://ssmuseum.jp/
定休日:火曜日(火曜日が祝日の場合は翌日)
※12月29日~12月31日
料 金:高校生以上300円、小・中学生200円
交 通:JR串木野駅から車で約20分
※館までの無料送迎バス運行(5~24名、要予約)
南九州西回り自動車道 串木野ICから約20分