学術の伝来(7)

世界中を魅了した「白い黄金」有田焼

有田は、江戸時代初期に陶祖・李参平が泉山磁石鉱を発見し、日本初の磁器生産地として窯業が発展した。ヨーロッパへ輸出された有田焼は美術品としても珍重され、「白い黄金」と呼ばれた。王侯貴族の間では、室内を東洋磁器で飾ることが流行し、とりわけ、ドイツのアウグスト2世は熱烈に東洋の磁器を愛し、ドレスデンのツヴィンガー宮殿に有田焼を含む東洋磁器を収集した。現在、世界で高く評価されるマイセンも、「東洋のような優れた磁器を作りたい」という、アウグスト2世の熱意から生まれたものである。かつてヨーロッパやアジアに輸出された有田焼は、400年以上を経過した今も、世界中の美術館で大切に展示され、今なお、私たちを魅了し続けている。

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主な施設

有田町内には、有田焼の展示や登り窯の見学施設がいくつかあり、ろくろによる陶芸体験等を楽しめる施設もある。

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佐賀県立九州陶磁文化館

肥前の陶磁器を中心に、九州各地の陶磁器の名品を収蔵展示、現代陶芸作家の作品も収集展示されている。

所在地:佐賀県西松浦郡有田町戸杓乙3100-1
TEL:0955-43-3681(九州陶磁文化館)
ホームページ:佐賀県立九州陶磁文化館
https://saga-museum.jp/ceramic/
定休日:月曜日※月曜日が祝日の場合は開館、
年末12月29日~31日
料金:無料※特別企画展期間中は有料
交通:JR有田駅から徒歩約12分
西九州自動車道 波佐見有田ICから約10分
駐車場:有り(無料、310台)


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有田ポーセリンパーク

ドイツ・マイセンにあるツヴィンガー宮殿を再現した建物を中心に、有田焼のギャラリーや体験工房、飲食物販施設、酒造、地ビール工場などがある「酒・器」のテーマパークである。

所在地:佐賀県西松浦郡有田町戸矢乙340-28
TEL:0955-41-0030(有田ポーセリンパーク)
ホームページ:有田ポーセリンパーク
https://www.arita-touki.com/
料金:無料(※一部有料の施設あり)
交通:西九州自動車道 波佐見有田ICから車で約5分
嬉野温泉街より車で25分
駐車場:有り