制度の概要
1.定義
道路とは、一般交通(公衆用)道路として使用される公共施設ですが、道路を根幹として都市機能が整備、そして生活圏が形成されています。そのため、路上や地下には、交通の用以外にも、電気、ガス、水道、電話等のライフラインに加え、沿道の商店や家屋から看板や日除け等の物件も掲出されています。このように道路の上空や地下に一定の工作物又は施設を設け使用することを「道路の占用」と言います。
「道路の占用」を行おうとする場合は、道路を管理している「道路管理者」の許可を受けなければなりません。
2.道路管理者
道路管理者とは、次に掲げる者をいいます。
- 国土交通大臣
(一般国道で政令により国土交通大臣が直接管理することとなっている区間) - 都道府県知事
土木事務所(その他の一般国道及び都道府県道、ただし、政令指定都市の域内は除く。) - 政令指定都市の市長
市役所又は区役所(政令指定都市の域内にあるその他の一般国道、都道府県道及び市道) - その他の市町村長
市町村役場(市町村道)
※国土交通大臣が直接管理している道路(指定区間内の国道)については、国土交通省の出先機関である「維持出張所」に「道路占用許可申請書」を提出しなければなりませんが、道路の占用ができる物件は、道路法と道路法施行令で定められています。
3.基準
占用の許可を受けようとする場合、占用しようとする物件が道路法又は道路法施行令に該当するものであることのほか、申請の内容が次の要件に該当しているものに限られます。
- 1.道路の敷地以外に余地がないこと。
- 2.占用しようとする場所及び構造が政令に適合していること。
※要件を満たしている場合でも、道路管理・道路交通上認められない場合もあります。
しかし、次の各法の規定に基づく物件(公益物件)については、要件を満たすことにより道路管理者は許可を与えなければなりません。
- 水道法
- 工業用水道事業法
- 下水道法
- ガス事業法
- 電気事業法
- 電気通信事業法
- 鉄道事業法
- 石油パイプライン事業法
4.義務
道路占用の許可を受けた場合、占用者は次の義務を履行しなければなりません。
- 許可内容及び許可に付された条件の遵守
- 占用料の納付
- 占用期間の満了又は占用廃止に伴う原状回復
- 占用に起因して道路管理者又は第三者に損害を与え又は第三者と紛争が生じた場合は、占用者の責任において、その損害を賠償し 紛争を解決しなければならない。
5.期間
「3. 基準」にある公益物件については、10年間以内として、その他の物件については、5年以内と定められています。
なお、占用期間満了後、占用を継続しようとする場合は、更新手続きを行うこともできます。
6.占用料
「4. 義務」にあるとおり、占用の許可を受けた場合には、占用料を支払わなければなりません。占用料については、道路法施行令により定められています。
支払いの方法は、納入告知書が郵送されますので、それをもって最寄りの銀行(郵便局では、取り扱っていません。)で納入告知書に記載している支払期限までに支払って下さい。(*)
なお、占用料は、当該年度1年分(1年に満たない場合は、占用期間分)となっており、1度支払われた占用料は、年度の途中で廃止した場合でも、返還することはできません。
(*)注意
道路占用料は、国から送付する納入告知書により、お支払いいただくものです。
国土交通省の職員が直接現金を要求することはありません。
※国以外の道路管理者が管理する道路に関する占用料は、地方公共団体の条例により別途定められておりますので、国の占用料と異なることがあります。
占用物件の種類


