信仰の伝来(10)

ド・ロ神父

フランス人の「マルコ・マリー・ド・ロ神父」は、まだキリシタン弾圧が続いていた1868(明治元)年に死をも覚悟して来日し、宣教のみならず、長崎や横浜で数々の功績を残した。1879(明治12)年、長崎県の外海地区の主任司祭となった「ド・ロ神父」は、「魂の救済だけでなく、その魂が宿る人間の肉体、生活の救済が必要」と痛感し、教会を中心とした村づくりを始め、1883(明治16)年に授産活動の場である旧出津救助院を創設した。貴族に生まれた「ド・ロ神父」は、私財を投じて多彩な事業を外海地区の人々に授け、「自立して生きる力」を与え、「ド・ロさま」と呼ばれ親しまれた。旧出津救助院は、世界文化遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産のひとつ「外海の出津集落」に位置する。

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主な施設

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旧出津救助院

旧出津救助院は下記資産で構成され、保存・修復を経ながら現在に至る。
 ・授産場(国重要文化財)
 ・ド・ロ塀(国重要文化財)
 ・マカロニ工場(国重要文化財)
 ・製粉工場(長崎県指定史跡)
 ・薬局(長崎県指定史跡)
旧出津救助院の向かいには、旧鰯網工場を改装して建設されたド・ロ様記念館(国重要文化財)が位置。

所在地:長崎市西出津町2696番地1
TEL:0959-25-1002(旧出津救助院)
ホームページ:旧出津救助院
http://shitsu-kyujoin.com/
定休日:月曜日(祝日の場合は翌日)、12/29~1/3
料金:大人400円、中高生250円、小学生以下200円
交通:バス停「出津文化村」より徒歩で5-10分、JR長崎駅周辺より車で約50分
九州横断自動車道長崎大分線 長崎ICから約60分
駐車場:有り(3か所、約45台)