学術の伝来(5)

日本を西洋に紹介したケンペル

「エンゲルベルト・ケンペル」は、1690年(江戸時代)にオランダ商館付の医師として、約2年間出島に滞在し、オランダ語通訳・今村源右衛門の協力を得て精力的に資料を収集した。帰国後、日本での見聞をまとめた書物「日本誌」を執筆し、同書は彼の死後にロンドンで出版され、フランス語、オランダ語にも訳されて、19世紀のヨーロッパでのジャポニスムに繋がってゆく。同書は「ケンペル」に遅れること約140年後に日本に渡った「シーボルト」にも大きな影響を与え、著書の中で同国の先人である「ケンペル」を顕彰している。

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主な施設

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ケンペル・ツュンベリー記念碑

出島和蘭商館医として来日したシーボルトは、前に来日した先学の商館医ケンペル、ツュンベリーの功績を称えるため1826(明治41)年、記念碑を出島花畑に建立した。
ラテン語で「ケンペルよ,ツュンベリーよ,見られよ!ここに君らの植物,年ごとに緑そい,花咲きいでて,植えたる主をしのびつつ愛の花輪をささぐるを,ドクター・フォン・シーボルト」と刻まれている。

所在地:長崎県長崎市出島町6 出島和蘭商館跡
TEL:095-829-1193(文化観光部文化財課)
ホームページ:長崎市
http://www.city.nagasaki.lg.jp/shimin/190001/192001/p000546.html
定休日:年中無休
料金:一般510円、高校生200円、小中学生100円
交通:路面電車「出島」より徒歩1分、バス停「長崎新地ターミナル」より徒歩5分
九州横断自動車道長崎大分線 長崎ICから約5分
駐車場:無し