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九州技術事務所は昭和25年4月に久留米機械整備事務所として発足し、当時においては、主として直営事業における建設機械の整備や管理を担っていました。そして、日本経済が高度成長期を迎え建設事業をめぐる情勢が変化する中で、建設技術の向上と発展が多岐にわたって求められるところとなり、九州地方における建設技術センターとしての期待を担って、昭和41年4月九州技術事務所として発展的に生まれ変わりました。その後も社会情勢の変化や技術革新が進む中で、その時代のニーズに応え所掌する業務を見直し、令和3年3月に節目の55年を迎えました。
現在においては、社会資本整備や維持管理及び防災に資する新技術の活用、技術開発・調査、防災機能並びに人材育成に係る業務を担っています。また、これらの業務を進めていく上で「防災技術力の充実強化」、「建設技術の生産性の向上」並びに「人材育成の推進」を3つの柱として業務を推進しております。
1.防災技術力の充実強化
防災対応においては、風水害、土砂災害、地震、及び火山砂防に係る広域的・機動的な復旧活動等を支援するために、平成25年7月に発足した「九州防災・火山技術センター」と一体となって、排水ポンプ車、災害対策支援車、及び災害対策用機械機器等の出動による災害復旧支援活動や火山砂防の緊急調査、日常における各種防災研修や訓練等を行い防災技術力の向上に努めています。
2.建設技術の生産性の向上
新技術については、産学官と連携を図り、民間等で開発された優れた技術を公共事業で積極的かつ円滑に活用するために「新技術活用システム」を適切に運用しつつ、新技術の登録・活用支援及び評価の業務を行っているほか、九州のフィールドに適応した新技術の活用促進に関する研究を行っています。 また、技術開発・調査にあたっては、令和4年4月策定の「第5期国土交通省技術基本計画」等を踏まえ、各事業実施等における諸課題の解決、円滑かつ効率的な推進のための施工技術、建設機械類の改良、河川・道路に係る調査等、建設技術に関する開発・調査を行っています。また、これらの建設技術に係る各種技術情報の蓄積や提供を行っています。
3.人材育成の推進
国民の視点にたった行政サービスを提供する人材像を目指し、「計画研修」(人事院規則で規定する法定研修)に加えて「基礎技術講習会」等を実施し、職員の専門力向上を図っています。また、社会資本の確実なメンテナンス・維持管理が行えるよう直轄職員及び地方自治体職員を対象としたインフラの実務的な点検、評価に資する研修を実施しています。さらに、デジタル技術を活用して、インフラ分野の働き方や生産性、コミュニケーションの変革に取り組むDXを推進するため、これらを担う産学官のDX人材を育成する「九州インフラDX人材育成センター」を令和3年度に設置しています。スカイバーチャルツアー、3次元点群取得、インフラ点検・維持管理用VRコンテンツ、無人化施工バックホウシミュレータ、ゲームエンジン等を活用したメタバースなどのデジタルコンテンツを整備し、これを常に刷新し、多彩で厳選されたデジタル技術の体験や学習が可能となっており、直轄職員のほか地方自治体職員、建設業界、学生等に向け多くの方々に利用いただいているところです。
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今後とも九州地方の活性化を支える人材育成のための体制の充実・強化を図ります。
以上の3つの柱を基本に九州管内事務所や地方自治体への支援、さらには、質の高い社会資本整備に資するべく業務を推進しております。