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推込(しごめ)分水路は平成18年7月洪水において甚大な被害を被ったさつま町宮之城地域の洪水被害を低減 させるために、さつま町宮之城屋地地区に整備された洪水を流す水路です。周辺には、史跡虎居城跡をイメージした石積み堤防の虎居地区堤防も整備されています。
平成25年には、伊佐市の曽木の滝分水路とともに土木学会デザイン賞2013優秀賞も受賞しました。
推込分水路と虎居地区堤防の位置
推込分水路と虎居地区堤防の緒元と全景
これまでのあゆみ
大洪水の襲来
平成18年7月、川内川流域は鹿児島県北部豪雨災害により、川内川での観測史上最大の洪水が発生しました。
さつま町虎居地区だけでも浸水家屋530戸・浸水面積約42ヘクタール という甚大な被害を受けました。
川内川激特事業がスタート
この洪水を契機として平成18年10月に「川内川激甚災害対策特別緊急事業」(通称:激特事業)が採択され、 流域の各所で治水安全度を高めるための河川整備が行われました。
虎居地区周辺では、新たな治水対策として、洪水の一部を流す分水路と約2kmに及ぶ築堤、河道掘削が計画されました。
大学での模型実験も実施
計画策定にあたり、川内川河川事務所は、地域住民の皆様や有識者と共に検討を重ねてきました。平成19年には、分水路等による水位低減効果を検証し住民の皆様にその効果を確認して頂くため、九州大学において住民参加による公開模型実験を実施。分水路等計画に関する合意形成を図りました。
川づくりをめざす話し合い
また、平成19年度以降には、激特事業の促進と合わせ、安全の確保と新たな町の再構築に資する河川整備の両立を目指すために、行政、有識者、住民代表の方々に よる「宮之城地区川づくり検討会」がスタート。
「風景、歴史、文化などに関わる地域の意見」を反映し、川へのアクセスや利活用も考慮した具体的な川づくりを議論する場として、「川づくり住民部会」も設置されました。川づくり住民部会では、ワークショップ形式で話し合うオープンな場となり、様々な意見が出されました。
生まれ変わった水辺
その協働作業の結果、分水路周辺にある史跡虎居城をイメージした石積護岸や散策可能な回遊路、多目的広場等が住民の皆様の意見を反映して整備されました。これにより、虎居地区周辺には河川の利活用の利便性や景観にも配慮した新しい河川空間が誕生しました。
事業効果の発現
平成23年度に推込分水路と虎居地区堤防は完成しましたが、その同年には大きな洪水が6月から7月にかけての間、3度にわたり発生。
その中には、流域の一部で平成18年7月洪水と同規模に達するほどの洪水もありました。完成後間もない推込分水路は3度にわたり洪水を分派し、川内川の水位を低減させる効果を発揮しました。
虎居地区は、平成18年7月の洪水で浸水家屋530戸、浸水面積42ヘクタールの被害を受けましたが、平成23年度の洪水の際は、浸水家屋・浸水面積ともにゼロとなりました。
宮之城地点 | H23.6.11洪水 | H23.6.16洪水 | H2.7.6洪水 |
---|---|---|---|
本川流量(分派前) | 約2,000m3/s | 約2,500m3/s | 約2,300m3/s |
本川流量(分派後) | 約1,730m3/s | 約1,850m3/s | 約1,800m3/s |
分水路流量 | 約270m3/s | 約650m3/s | 約500m3/s |
水害の乗り越え、魅力ある郷土をめざし
虎居地区では、利活用の利便性や景観に配慮して河川空間が整備されたことをきっかけに、川内川を生かしたさまざまな取り組みが始まっています。住民の皆様が参加したシバザクラの植え込みや川祭りの実施、小中学生が参加したトライアスロン大会などの催しが行われるようになりました。
推込分水路と虎居地区堤防は、単なる治水対策施設にとどまらず、流域内外の多くの方に親しまれ、地域振興にも貢献する社会資本として、今後ますます期待されています。
推込分水路と虎居地区堤防は、こうした一連の整備過程と構造が高く評価され、平成25年度に土木学会による土木学会デザイン賞2013優秀賞を受賞しました。さらに、利活用に取り組む地元の「虎居区公民館」が国土交通大臣表彰「手づくり郷土賞(一般部門)」を受賞しました。
推込分水路と虎居地区堤防の写真
平成23年 5月撮影
平成23年 5月撮影
平成23年 5月撮影
平成25年 11月撮影
平成25年 11月撮影
パンフレット
推込分水路の諸元や経緯等をわかりやすくまとめたパンフレットを作成しています。
推込分水路の位置
グーグルマップで周辺の地図をご覧になることができます。赤いマークが推込分水路の位置です。
現場見学のご案内
推込分水路と虎居地区堤防の見学をご希望される方には、下記の点にご了承頂いた上で、申込書を川内川河川事務所流域治水課までメール又はFAXにてお送り下さい。
なお、さつまdeまちぜみの受講に関しましては、下記<R6さつまdeまちぜみ受講希望の方>をご確認の上、川内川河川事務所宮之城出張所へお申し込みください。
- 見学日:平日(12/29~1/3除く)10:00~17:00
- 当日の降雨や工事の状況等により、対応できない場合があります。
- 希望団体の時間が重なった場合は、日時を変更して頂く事もあります。
- 人数は10~30名程でお願い致します。受け入れ人数については、工事の状況等を考慮して個別に調整させて頂きます。
- 現場見学会の際は、案内する職員の指示に従って頂きます。
- 障害事故等に関わる保険は、見学者の皆様にて加入頂きますようお願いします。
- 集合場所は、川内川右岸の事業紹介看板そばです。職員がご案内のため合流致します。
R6さつまdeまちゼミ受講希望の方
〇開催日時:10/21(月)、11/11(月)、11/25(月)いずれも13:30~15:30
〇集合場所:宮之城出張所(さつま町虎居868-1)
〇申し込み:川内川河川事務所 宮之城出張所
0996-22-3282 受付9:00~17:00(定休日/土・日・祝日)
現場見学の申し込み
申込書は2週間前までに川内川河川事務所流域治水課へメール又はFAXにてお送り下さい。なお、伊佐市にある曽木の滝分水路の現場見学も同じ申込書でお申し込みできます。
推込分水路・虎居地区堤防に関するお問い合わせ窓口
国土交通省 九州地方整備局 川内川河川事務所 流域治水課
- 〒895-0075 薩摩川内市東大小路町20番2号
- TEL:0996-22-3359 FAX:0996-25-0862
- E-MAIL:qsr-sendai@ki.mlit.go.jp