水防災意識社会 再構築ビジョン

社会意識の変革による
「水防災意識社会」の再構築に向けて

背景(水害に対する防災意識の変化)

近代的河川改修の実施前
施設の能力が低く水害が日常化していた時代には、水害を「我がこと」として捉え、これに自ら対処しようとする意識が社会全体に根付いていた。
…(事例)筑後川沿川地域における「水屋」などによる住まい方の工夫
近代的河川改修の実施後
水害の発生頻度が減少したことに伴い、社会の意識は「水害は施設整備によって発生を防止するもの」へと変化。

背景(気候変動に伴う豪雨災害リスクの増加)

鬼怒川が決壊した平成27年9月関東・東北豪雨のような水害は、全国どこの河川においても発生する可能性がある。

  1. 平成24年:九州北部豪雨災害、平成25年:台風第26号による伊豆大島における災害、
  2. 平成26年:広島における大規模砂災害、平成27年:関東・東北豪雨災害など

今後、気候変動により、関東・東北豪雨で発生したような施設能力を上回る洪水の発生頻度は高まる。

目的(水防災意識社会の再構築)

河川管理者のみならず、市町村、住民、企業等が水害のリスクを共有し、主体的に行動できるよう意識を変革すること。

施設の能力には限界があり、施設では防ぎきれない大洪水は必ず発生することを前提として、社会全体で常にこれに備える「水防災意識社会」を再構築すること。

多発する水害に対処するために
住まい方の工夫

洪水時の様子

(1)水害の多い地域の住まいは、田畑より一段高いところに作られていました。

(2)しかし、それでも大きな洪水の時は、水につかってしまいます。

(3)そこで、母屋から水屋に船で移動して、洪水がひくまで避難生活をしていました。

水屋の事例 宅地かさ上げの事例

平成27年9月関東・東北豪雨を受けて
対処すべきな主な課題

対処すべき主な課題
  1. 堤防決壊に伴う氾濫流による家屋の倒壊・流出
  2. 避難の遅れと長時間・広範囲の浸水による多数の孤立者の発生
  3. 市内の避難場所への避難が困難となったことにより、避難者の半数以上が市外へ避難
氾濫流による家屋の倒壊・流出

鬼怒川下流域における一般被害の状況

項目 状況等
人的被害

死亡2名、重症2名、中等症11名、軽症17名

住宅被害

床上浸水 4,400件
床下浸水 6,600件

救助者

ヘリによる救助者数 1,343人
地上部隊による救助者数 2,919人

避難指示等

(1)避難指示 11,230世帯、31,398人
(2)避難勧告 990世帯、2,775人
(※29日16時現在)

避難所開設等

避難者数 1,786人
(市内避難所 840人、市外 946人)
(※18日11時現在)

(茨城県災害対策本部 10月1日16時以前の発表資料より常総市関連を抜粋)
市内の広範囲が浸水

近年の九州で発生した
施設能力を上回るような洪水

平成15年7月
遠賀川(飯塚市)
平成15年7月
御笠川(福岡市博多区)
平成17年9月
五ヶ瀬川(延岡市岡富地区)
平成17年9月
五ヶ瀬川(延岡市岡富地区)
平成18年7月
稲荷川(えびの市内堅地区)
平成18年7月
川内川(さつま町宮之城橋上流)
平成24年7月
白川(熊本市北区龍田一丁目)
平成24年7月
矢部川(柳川市大和町)

水防災意識社会 再構築ビジョン

関東・東北豪雨を踏まえ、「水防災意識社会 再構築ビジョン」を実現するため、九州管内全ての直轄河川とその沿川市町村において、平成32年度を目途に水防災意識社会を再構築する取組みを行う。

ソフト対策
住民が自らリスクを察知し主体的に避難できるよう、
「住民目線のソフト対策」を実施
ハード対策
「洪水を安全に流すためのハード対策」に加え、氾濫が発生した場合にも
被害を軽減する「危機管理型ハード対策」を実施。
ソフト対策

住民等の行動につながるリスク情報の周知

  • 洪水時に立ち退き避難が必要な家屋倒壊危険区域等の公表
  • 住民のとるべき行動を分かりやすく示したハザードマップへの改良

事前の行動計画(タイムライン)作成、訓練の促進

避難行動のきっかけとなる情報をリアルタイムで提供

  • 水位計やライブカメラの設置
  • スマホ等によるプッシュ型の洪水予報等の提供
危機管理型ハード対策

堤防を越える洪水が発生した場合でも決壊までの時間を少しでも引き延ばすよう堤防構造を工夫する対策の推進

<被害軽減を図るための堤防構造の工夫(対策例)>
天端のアスファルト等が、越水による侵食から堤体を保護
(鳴瀬川水系吉田川、平成27年9月関東・東北豪雨)
洪水を安全に流すためのハード対策

優先的に整備が必要な区間において、堤防のかさ上げや浸透対策などを実施

取組方針

協議会の設置

各地域において、河川管理者・都道府県・市町村等からなる協議会等を新たに設置して、減災のための目標を共有し、ハード・ソフト対策を一体的・計画的に推進することで水防災意識社会の再構築を目指す。