遠賀川河川事務所

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遠賀川河川教育研究会

1.現地見学における留意点

 現地見学では、水辺に近づいたり、直射日光に当たるなど子どもたちの安全に関わる問題が発生するため、事故を未然に防ぐための配慮が必要です。また、せっかく屋外に出て動植物や人々など地域のありのままの姿と直に接触するのですから、子どもたちがより多様な“気づき”を持てるように、子どもたちの五感を研ぎ澄ませる工夫も必要です。

留意点(現地見学におけるチェック項目)
  • 子どもたちを川につれていく場合、体育の授業等にくらべて危険や病気等に対するリスクの認識不足が多く見られる。
  • 川を使った授業を行うのは暑い時期の屋外授業である場合が多いので、時間をずらす等の暑さに対する安全性を強く認識しておく必要がある。
  • 出発前に必ず準備体操と健康確認を行う。これは何かあった場合の保険適用の際にも必要となる。
  • 現地では、自然の匂いから子どもたちが気づくことも想定されるので、タバコや臭いのきつい化粧品の使用は避ける。
  • 河川見学は子どもたちの視点から川を見て欲しい。また、広い視野で川を見れば、いろいろな題材が発見できる。

2.総合学習の題材探しにおける留意点

 総合学習の題材探しでは、最初の気になった題材(ここでは“遠賀川”)から視野を広げ、自分の得意な分野、自分たちでも無理なく出来る分野を見つけ出すことが第一歩です。また、地域の人々や専門家など周囲の協力を得るコーディネイト力、ネットワークがあれば(つくりながら進めれば)、題材の幅はさらに広がります。

留意点(総合学習の題材探しにおけるチェック項目)
  • 「遠賀川」など、一つの題材から視野を広げていく。その中から、自分の得意なものについて総合学習の題材にすればよい。
  • 空間軸や時間軸で視野を広げることが重要である。足下ばかりみていると制限されてしまう。例えば100年前、100年後の遠賀川の様子や動物や水質を予想し、100年後の川のために自分たちができることを考えてみる。
  • 視野を広げていく上で、自分の知らない分野について、日頃から専門家を探したり地域の人に聞いたりというコーディネイト能力を養い、ネットワークを作っていくことが重要である。国や県の人材派遣システムを利用することもできる。
  • 調べ学習を総合学習に展開していくことが必要。例えば、河川でごみを清掃したり分類するだけならただのボランティアである。ごみはどこから来たのか?100年前はどうだったのか?と視野を広げることが大切である。

3.カリキュラムづくりの留意点

 学校の生徒、先生はもちろん地域の自然、歴史、人材、社会など同じ条件の所は一つもありません。総合学習のプログラムでは、こうした地域固有、学校固有の特性を充分に活かしたプログラムの組み立てを心がけることが重要です。

留意点(カリキュラムづくりにおけるチェック項目)
  • 目的がはっきりしているか?
  • 学校、生徒、地域の実状に合っているか。先生の実状に合っているか?
  • すべての教科にまたがっているか(クロスプログラムであるか)?
  • 解決できない問題と思われていることの解決策はあるか?
  • 地域、社会の協力は得られるか?
  • 子どもたちが継続して考えられる(関われる)問題があるか?

4.プログラム実施における留意点

 プログラムを実施していく中では、情報不足、人材不足、予算不足など様々な障害が発生します。こうした障害の中には、日々の情報交換や地域との連携の充実で解決できるものもたくさんあります。また、障害をプログラムの一環と捉え、"できそうにないこと"を解決していく方法を子どもたち自身に考えさせることも必要です。

留意点(プログラム実施におけるチェック項目)
情報発信と共有化
  • 「外部の協力を得るためには、取り組んだことを外部に対して積極的に情報発信していくことが大切である。広域的にはインターネット、地域では公民館活動を利用するとよい。公民館だより等の広報誌のコーナーを借りて情報を発信するのも有効である。また、学校内に対しては、学校での発表会やPTAの通信紙利用が考えられる。
  • 先生同士や学校と地域で、双方向から積極的に情報発信し、情報を共有化することが大切である。"やったこと"だけではなくて"やりはじめるとき"に地域に向けて情報を発信することや、ゲストティーチャーを選ぶ際の情報交換や情報共有化なども重要となる。
  • 情報を集めるのは先生の仕事。名刺を配るのもその一環。これまで名刺を持っていないというのは、もったいない。
不足する人材や予算などの解決方法
  • 誰かに手伝ってもらえることだけをするのでは、課題発見になっていない。他からの支援があるかないかが問題ではない。予算・人材の問題はどうしたら解決できるかを子どもたちが考えて,子どもたち自身が取り組めば良い。できない事を解決していくことが重要である。
  • 交通費がなければ、遠足の一環で取り組んで親からお金を集めてはどうか?PTAの講演会費で、総合学習について講演してもらって親の意識を高めれば良い。その他、修学旅行を使うなど学校のカリキュラムとして取り込んでいけば良いのではないか。また、予算面に関して、祭など地域のつながりの中から取り組んでいければ良いのではないか。
ネットワークのシステム化と個人のつながり
  • 誰もが使えるように人のネットワークをシステム化しなくてはならない部分もある。一方で、特定の個人と個人だからうまくいっているという場合もあるので、自分たちで人のつながりを見つけていく部分は、少しあいまいにしておいた方がいい。



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