既往洪水の概要
川内川の過去の洪水において、一番古い記録は746年10月洪水で「続日本書記」及び「大日本史」に記載されてあります。 洪水記録が整理されはじめた1500年代から現在に至るまで、約200回を超える記録があり、平均2年に1回程度で洪水が発生しています。
近年においては昭和40年代に大出水が頻発し、「昭和46年8月洪水(台風19号)においては、川内地点のピーク流量は当時の計画高水流量の 3,500m3/sを上回る3,840m3/sを記録し、ピーク水位も7.02mを記録。川内市街部一帯に避難命令が発令され、全半壊家屋30戸、 床上浸水803戸、床下浸水2,163戸、道路損壊7箇所、橋梁流出8箇所、堤防決壊6箇所など甚大な被害を受けました。
また、昭和47年7月洪水においては、中流の宮之城町湯田地区で家屋の流出114戸の被害が出ました。更に平成元年7月洪水においては、 全流域で床上浸水171戸、床下浸水702戸、浸水面積1,636haの被害が発生、平成5年8月洪水においては、全流域で床上浸水197戸、 床下浸水416戸、浸水面積1,517haの被害が発生し、栗野水位観測所では過去最高の7.27mを記録しました。
また平成9年9月洪水(台風19号)においては、全流域において床上浸水264戸、床下浸水223戸、浸水面積1,271haの被害が発生し、 吉松水位観測所においては過去最高の8.19mを記録しました。
平成18年7月洪水(梅雨前線)においては、全水位観測所15箇所のうち11箇所で観測史上最高水位を観測、そのうち4箇所においては計画高水位を超える水位を記録し、 川内川の上流から下流に至る流域の3市2町(薩摩川内市、さつま町、伊佐市、湧水町、えびの市)の約5万人に避難勧告等が発令され、 浸水面積約2,777ha、浸水家屋2,347戸に及ぶ甚大な被害を受けました。
川内川の主な洪水
西暦 | 年月日 | 洪水原因 | 川内水位 |
---|---|---|---|
1906 | 明治39年6月21日 | 豪雨 | 6.85メートル |
1943 | 昭和18年9月20日 | 台風18号 | 6.00メートル |
1958 | 昭和28年7月19日 | 梅雨前線 | 5.42メートル |
1954 | 昭和29年8月18日 | 台風5号 | 5.51メートル |
1957 | 昭和32年7月28日 | 梅雨前線 | 6.20メートル |
1965 | 昭和40年7月3日 | 梅雨前線 | 5.40メートル |
1969 | 昭和44年6月30日 | 梅雨前線 | 6.73メートル |
1971 | 昭和46年7月24日 | 梅雨前線 | 6.20メートル |
1971 | 昭和46年8月6日 | 台風19号 | 7.02メートル |
1972 | 昭和47年6月18日 | 梅雨前線 | 6.90メートル |
1972 | 昭和47年7月6日 | 梅雨前線 | 5.76メートル |
1976 | 昭和51年7月19日 | 台風9号 | 6.35メートル |
1979 | 昭和54年6月28日 | 梅雨前線 | 6.04メートル |
1982 | 昭和57年7月25日 | 梅雨前線 | 5.13メートル |
1987 | 昭和62年7月18日 | 梅雨前線 | 5.03メートル |
1989 | 平成元年7月28日 | 台風11号 | 4.75メートル |
1993 | 平成5年8月1日 | 梅雨前線 | 4.50メートル |
1993 | 平成5年8月6日 | 梅雨前線 | 5.36メートル (栗野7.28メートル既往最高水位) |
1997 | 平成9年9月16日 | 台風19号 | 3.03メートル |
2006 | 平成18年7月22日 | 梅雨前線 | 6.03メートル (宮之城11.66メートル既往最高水位) |
2020 | 令和2年7月6日 | 梅雨前線 | 4.54メートル |
2021 | 令和3年7月10日 | 梅雨前線 | 5.08メートル |
過去の洪水による被災写真
川内川事務所ウェブサイト内の「もしも川内川が氾濫したら」へリンクします。
地震について
えびの地震
昭和43年2月21日10時45分、宮崎・鹿児島・熊本3県の県境付近を震源とするマグニチュード6.1の地震が発生し、えびの市及び吉松町において甚大な被害を蒙った。
えびの市真幸地区においては震度6を観測し、川内川においては、えびの市、吉松町において堤防の亀裂、護岸のすべり・沈下等12箇所において被害が発生した。
鹿児島県北西部地震
平成9年3月26日17時31分、鹿児島県北西部を震源とするマグニチュード6.3の地震が発生(川内市、宮之城町において震度5強を観測)し、 その後5月13日14時38分にはマグニチュード6.2の地震が発生(川内市において震度6弱、宮之城町において震度5強を観測)しており、 川内市、宮之城町等において甚大な被害を受けました。
この地震により川内市久見崎地先の本川高潮堤防の半壊、川内市天辰地先の本川堤防の亀裂、その他管理施設等において多数の被害が発生しました。