筑後川の洪水の歴史
昭和28年以後の主な洪水
昭和28年の洪水では、当時の大臣管理区間であった夜明(よあけ)地点下流だけでも26箇所で破堤し、筑後川右岸50キロメートル付近の朝倉堤防の破堤は延長約600メートルに及びました。
この洪水による流域内の被害は、死者数147人、流出全半壊家屋約12,800戸、床上浸水家屋約49,200戸、床下浸水家屋約46,300戸、被災者数約54万人に及ぶ甚大なものでした。
28年6月の洪水の最大流量は、夜明地点において秒速9,000〜10,000 立法メートルと推定(昭和28年西日本水害調査報告書:土木学会西部支部)されています。
●昭和28年以後の主な洪水水年表 洪水発生年 原因 瀬の下での水位 洪水被害の概要
洪水発生年 | 原因 | 瀬の下での水位 | 洪水被害の概要 | |
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昭和28年6月 | 1953年 | 梅雨 | 9.02メートル | 死者147人、流出全半壊12,801戸、床上浸水49,201戸、 床下浸水46,323戸、破堤等122箇所 被災者数54万人。 現在の治水計画の目標となっている洪水。 (筑後川3大洪水) |
昭和47年7月 | 1972年 | 梅雨 | 5.17メートル | 床上浸水142戸、床下浸水4,699戸。 |
昭和54年6月 | 1979年 | 梅雨 | 6.44メートル | 床上浸水71戸、床下浸水1,355戸。 |
昭和55年8月 | 1980年 | 秋雨 | 5.46メートル | 床上浸水713戸、床下浸水7,395戸。 下流域の内水被害が甚大で、佐賀江川で激特事業が採択。 |
昭和57年7月 | 1982年 | 梅雨 | 6.08メートル | 床上浸水244戸、床下浸水3,668戸。 |
昭和60年6月 | 1985年 | 梅雨 | 5.10メートル | 床上浸水61戸、床下浸水1,735戸。 |
昭和60年8月 | 1985年 | 台風 | - | 床上浸水487戸、床下浸水1,517戸(花宗地区床上140戸、床下324戸 寺井地区床上14戸、床下49戸)。台風13号と満潮が重なり下流域で大規模な高潮被害が発生。 |
平成2年7月 | 1990年 | 梅雨 | 5.48メートル | 床上浸水937戸、床下浸水12,375戸。下流域の内水被害が甚大で、佐賀江川で激特事業が採択。 |
平成3年9月 | 1991年 | 台風 | - | 風倒木面積19,000ヘクタール、風倒木本数1,500万本(夜明上流域)。 台風17、19号による記録的な烈風により上流山地部で大量の風倒木が発生 。 |
平成5年9月 | 1993年 | 台風 | 4.56メートル | 床上浸水156戸、床下浸水135戸。 玖珠川で大きな洪水を記録。 |
平成13年7月 | 2001年 | 梅雨 | 3.84メートル | 床上浸水23戸、床下浸水180戸。花月川支川有田川、寒水川で氾濫。 |