目標
海岸の環境や利用と調和を図りつつ、背後地(人家、有料道路等)への越波被害を防止するために、「浜幅50mの確保」を達成することを目指す。
機能1 北からの流入土砂を増やす
1.養浜をすすめる
2.養浜の位置と方法
- 砂の動きや養浜の利点(機動・柔軟的な対応可能)を考慮し、北側(大炊田海岸周辺)や侵食の著しい箇所で実施
- 試験養浜結果を踏まえ、陸上養浜・海中養浜を関係機関との連携により実施
3.ステップアップの方法
- 当面は、関係機関と連携した養浜を実施
- 地形測量や各種モニタリングを実施し、投入位置や量を決定
- 関係機関と連携した、様々な手法による養浜を検討 中長期的には、宮崎海岸北側や河川からの流入土砂の増加など、砂浜の回復・維持を目指した様々な取り組みを実施
機能2 南への流出土砂を減らす
1.突堤と補助突堤を設置する
- 効率的に海岸の土砂を回復させるため、北から南に動く養浜砂を直接止める(捕捉する)突堤を設置
- 効果の早期発現のため、補助突堤を設置
2.突堤・補助突堤の配置と規模
- 砂の動き(北→南)、一ツ葉PA前の砂浜消失状況、離岸堤の設置状況を考慮し、住吉海岸離岸堤の北側に配置
- 突堤は、砂の動きの激しい水深約5mの位置を目安に、岸から300mの規模を設定
- 補助突堤は、岸から150m、50m(南側より)の規模
3.ステップアップの方法
- 構造物を海中に施工することから、自然現象の複雑さと社会環境・自然環境の変化に対する未来予測の不確実性に特に留意し、徐々に突堤を伸ばす
- 地形測量や各種モニタリングを実施するとともに、併せて環境・景観・利用の関係者からの声を聴くことにより、毎年度効果・影響を把握する
- 把握した効果・影響について、改善や工夫ができることはないか、看過できない現象が生じていないかなどの観点から検証を行い、必要があれば計画を見直す
- 検証の結果、計画を見直す必要がなければ、引き続き徐々に突堤を伸ばす
機能3 浜崖頂部高の低下を防ぐ
1.表面を砂で覆った埋設護岸を設置
- 越波・浸水の防止 に対し、自然堤防として重要な役割を果たす砂丘の高さを確保するため、埋設護岸を設置
- サンドパックを使うこと 、養浜の実施箇所を工夫し、サンドパックの表面を養浜で覆うことで、 環境・景観・利用に配慮
2.対策の位置と規模
- 自然浜区間の浜崖頂部高の低下が懸念される箇所(動物園東および大炊田海岸など )で実施
- サンドパック工は暫定天端高 (海抜(T.P.)+4.0m)で施工し、サンドパック工の前面、上面及び背面(浜崖面との間)に養浜を実施し、埋設
3.ステップアップの方法
- 全国初の取り組み であるため、各種モニタリングを行い、必要に応じて改善 する
この対策は「宮崎海岸トライアングル」、「宮崎海岸ステップアップサイクル」を継続しながら進めていきます。
- 宮崎海岸ステップアップサイクルに基づき、(1)地形測量、(2)環境調査、(3)利用調査等の各種モニタリングにより、侵食対策の効果を確認しつつ、修正・改善を加えながら、段階的に整備 を進めます。
- 侵食対策の効果や修正・改善については、侵食対策検討委員会や効果検証分科会、技術分科会において検討を実施します。
- 宮崎海岸市民談義所を適宜開催し、モニタリング調査結果の報告、侵食対策実施状況の確認、それらの修正・改善について談義していきます。また、市民と連携したモニタリング調査も模索していきます。