脊振山地は奥行きが浅く、ここを源流とする佐賀平野の川は、流域が狭く、急勾配で流れが速いことと、天井川であるため、取水された水は再び川に戻ってこない特徴があります。
水不足に悩まされてきた佐賀平野では、昔からため池やクリーク、アオ取水といった高度な対策を取り入れてきました。しかし、こうした対策も天候に依存することなどもあり、安定的に水の供給を約束するものではありません。
江戸時代では画期的だった水利用対策も、その後の農業の高度化や工業用水、水道用水など水の需要が多様化、また、社会構造の変化によりアオ取水を行うための労働力が確保しづらくなってきたことなどにより、新たな水利用システムの構築が求められてきました。