大雨が降ると洪水が発生しやすい地形条件

本明川は、多良山系の急峻な山麓を南下し、湯野尾川・目代川などの支川を合流して諫早市街地の中心部を急勾配で流れ、干拓により造成された平地を、福田川、半造川などを合わせて緩やかに蛇行しながら有明海に注いでいます。

◇ 本明川諸元

幹川流路延長 28km
流域面積 249km2
流域 諫早市、雲仙市
流域内人口 約8万7千人

諌早市街地までの河川勾配が急なため、川の水は一気に流れていき、勾配が緩くなる変化点に諫早市街地が形成されていることから水位が上昇しやすい地形です。

集中豪雨が発生しやすい気象条件

本明川流域は、九州の西端に位置し、三方を海で囲まれ、北東部に多良山系がそびえることから、南からの湿った風が山にぶつかることで上昇気流が起こり、集中豪雨が発生しやすい気象条件です。

諫早市の年間降水量は、全国平均の約1.3倍、長崎県平均の約1.1倍で梅雨期(特に梅雨末期)に集中しています

◇ 年間降水量

諫早(諫早市馬渡町) 2,130mm
長崎県平均 1,894mm
全国平均 1,662mm
統計期間:1991~2020年(気象庁HPより)

令和2年7月洪水のとき、浦山橋付近ではわずか1時間の間に急激にすいいが上昇しました。このように、激しい雨は勾配の急な本明川を一気に流れ下り、勾配が緩くなる諫早市街地部で急激な水位上昇を起こします。

本明川ダム建設地

本明川ダムはJR鉄道橋から約6.5km上流の右岸を諫早市上大渡野町、左岸を諫早市富川町に隣接した位置に整備しています。

よくある質問

ダム建設地の地質は、ダムを造るうえで安全性に問題ないでしょうか?

本明川ダム建設地では、地表から確認できる地質の調査、地表から見えない地中についてはボーリングによる調査や調査横坑(基礎岩盤に掘った小規模なトンネル)で基礎岩盤の強さを確認する試験等を実施しています。
地表部のゆるんだ部分は取り除き、安全性が確保できるダムを造っていきます。