i-Constructionとは

i-Constructionのが目指すべきもの

(1)建設現場の宿命

建設産業においては、「一品受注生産」、「現地屋外生産」、「労働集約型生産」などの特性があり、製造業等で進められてきた、ライン生産方式、セル生産方式及び自動化・ロボット化などの生産性向上策に取り組むことが困難であると考えられてきました。

(2)宿命を打ち破るため、建設現場へIoT を導入

IoTの導入により、建設現場においても、「建設機械」と「設計データ」など「モノ」と「モノ」とがつながるようになります。その結果、ICT 建機による3次元データを活用した施工・検査など自動化・ロボット化による生産性向上が可能となります。
また、調査・測量から設計、施工、検査、維持管理・更新までのあらゆる建設生産プロセスにおいて、3次元データを導入することで、建設生産システム全体を見通した施工計画、管理などコンカレントエンジニアリング、フロントローディングの考え方を実践していくことが可能となります。
建設現場の宿命を打破するため、IoT を導入することで、製造業で行われているような生産性向上の取組を実現する必要があります。

(3)i-Construction を進めるための3つの視点

① 建設現場を最先端の工場へ

屋外の建設現場においても、近年の衛星測位技術等の進展とICT化により、ロボット技術やデータを活用した品質管理・工程管理が実現しつつある。今後、インダストリに代表される世界の潮流を踏まえ、建設現場においてもICT の本格的な導入・普及を図ることによって、建設現場を自動化・ロボット化など技術集約型の最先端の工場へ転換できます。
調査・測量から設計、施工、検査、維持管理・更新までのあらゆる建設生産プロセスにおいて、3次元データを導入し、ICT 建機など新技術の活用が実現するとともに、コンカレントエンジニアリング、フロントローディングの考え方を実践していくことが重要です。
また、インフラの設計・施工段階から、維持管理を含めた最適化が図られるよう配慮することが必要です。
さらに、点検・診断のコスト縮減、修繕工事の工期短縮等を図るため、企業等が開発した技術の試行・評価や、産学官による共同研究開発等を国が中心となって戦略的に取り組むとともに、維持管理の基準類について、ICT の進展等を踏まえて適宜改善を行うことが必要です。

② 建設現場へ最先端のサプライチェーンマネジメントを導入

建設現場では一品受注生産が基本であり、発注後、仕様の確認、製作という順となり、納期に時間がかかり、待ち時間が発生するという実態があります。
フロントローディングの考え方に基づき、設計段階に施工性や品質管理を考慮した全体最適設計の考え方を導入し、部材等の規格の標準化等を行うことにより、例えば鉄筋のプレハブ化に伴う工場製作が導入しやすくなります。
最先端のサプライチェーンマネジメントの考え方を導入することにより、施工段階における原材料の調達、各部材の製作、運搬、部材の組立等の工場や現場における各工程が改善され、待ち時間などのロスが少なくなり、建設生産システム全体の効率化、生産性向上が実現できます。

③ 建設現場の2つの「キセイ」の打破と継続的な「カイゼン」

イノベーションを阻害し、最新の技術が考慮されていない従来からの基準などの「規制」や年度末に工期を設定するなどの「既成概念」を打破することで、更なる建設現場の生産性向上が実現できます。
このような建設現場の生産施向上を阻む「規制」や「既成概念」などの制度面の課題については、常に建設現場に携わる関係者が問題点を話し合い、継続的な「カイゼン」を行うことが重要です。