技術紹介

情報化施工を実現する技術

汎地球測位航法衛星システム(GNSS)

 汎地球測位航法衛星システム(GNSS)とは、衛星を用いた測位システムの総称です。よく知られているGPSは米軍が開発したもので,他にもロシアのGLONASS,ヨーロッパのGALILEOなどがあり、GNSSとはそれらを含む総称です。原理的には、空間で位置のわかっている3点(測位衛星)から受信機までの各距離がわかれば、位置座標が特定できます。
 GNSS測量には、精度や測位方式によって種類があります。情報化施工では、通常RTK-GNSS(リアルタイムキネマティック)が使われます。

GNSSの測定手法

図 GNSSの測定手法

GNSSの測位方法の種類

図 GNSSの測位方法の種類

 RTK-GNSSとは、測りたい移動局(観測点)の他に位置のわかっている基準局を必要とする測位方式で、位置情報をリアルタイムに算定し移動局の測位を行います。精度は水平2~3cm、鉛直3~4cm程度となります。
 ネットワーク型RTK-GNSS(VRS,FKP)は、位置情報サービス事業者が国土地理院の基準点から求めた補正データ(位相差)を通信回線から受信し測位を行う方式で、精度は若干落ちますが基準局の設置が不要となり、今後の活用が期待されております。
 RTK-GNSSは、衛星数が多いほうが精度が良くなり、谷間より上空が開けている方が良くなります。アメリカのGPSだけでなく、ロシアのGLONASSも使えることが有利となりますがネットワーク型ではGPSのみの観測となります。

RTK-GNSS測位方式

図 RTK-GNSS測位方式

ネットワーク型RTK-GNSS測位方式

図 ネットワーク型RTK-GNSS測位方式


<ネットワーク型RTK-GNSS>

補正データを国土地理院の電子基準点から求め、通信回路を使い観測する方式。

補正情報として、仮想基準点方式のVRSと面補正パラメータ方式のFKPがあります。

情報提供会社との契約と通信回線が必要となります。

電子基準点がGPS(アメリカ)のみの観測となるためGLONASS(ロシア)を利用することはできません。