事業紹介

砂防事業の概要

事業着手の経緯

１.補助砂防より直轄砂防に編入した理由

イ．宮崎県の荒廃砂防河川の高崎川、萩原川、浦之名川等を調査した結果、霧島山系の火山荒廃地域を土砂の生産源とする高崎川が著しい荒廃河川であることが判りました。（重荒廃地域）

ロ．高崎川から大淀川本川河道へ流出する土砂量は多く、大淀第1・第2ダムへの堆砂、それに伴う河口閉塞の繰り返し、さらに河口一帯の浸水被害など治水影響の大きさが考えられました。

ハ．過去の災害をみると、昭和20年の枕崎台風による蒲牟田川（花堂橋付近）の欠壊、土砂氾濫、昭和41年の頭首工、道路の欠壊、昭和43年の河岸侵食、農地水埋没、昭和47年の土石流（死者2名、家屋全半壊6戸）等河川工作物の施設災害から人災に至るまで災害を繰り返していました。

ニ．このような災害の繰り返しで、地元及び県からも国による抜本的な砂防事業を望む声が強く、直轄の動きとなり昭和48年に事業に着手しています。

2.直轄編入の根拠

事業費が多大となるうえ、もろい噴出物が多く土石流対策や新しい技術的対応を迫られるなど難工事が予想され、さらに水系砂防の観点から広範囲に渡る砂防事業が考えられるため。（砂防法第6条1項の該当）

砂防調査に着手

昭和45年から高崎川流域の砂防計画に必要な一連の調査を実施してきましたが、現在は重荒廃地域の重点的な調査と霧島火山砂防基本計画調査を実施しています。高崎川上流域は霧島山系の重荒廃地域の中にあり、最も荒廃が著しく大きな土砂生産源となっています。なかでも高千穂峰、御鉢の裸地及びガリー侵食、新燃岳、中岳のガリー侵食は著しく、砂防計画上どのように対応していくか大きな課題です。

砂防事業に着手

高崎川の砂防事業は昭和48年12月19日蒲牟田第1砂防ダム及び高千穂第1砂防ダムに同時着手以来、各渓流毎には蒲牟田川2基（第1・2）高千穂川6基（第1・2・3・4・5・6）矢岳川5基（第1・2・3・5・6）大幡川5基（第1・2.・3・5・7）御池川1基（第1）秡川1基（第1）丸谷川1基（第2）他5基、完成23基、着手4基の計27基を工事しています。

流路工については蒲牟田川が平成5年、御池川が昭和62年、高千穂川が平成7年に完成し、平成10年には石風呂遊砂地が完成しています。

又、矢岳上流床固群は平成13年、丸谷上流床固群は平成14年に完成しています。

ガリー侵食

矢岳川渓流崩壊

高千穂第6砂防ダム

【担当課：工務第二課】