道路行政の評価

道路事業を行う際には必ず、混雑がどれくらい緩和できるか、交通事故がどれくらい削減できるか、沿道環境がどれくらい良くなるか、などの効果の評価を行っています。また、その事業による効果が費用に見合うかどうかについても確認を行っています。

こうした事業評価は、新たに事業を実施しようとするとき、事業を実施している途中、事業が完了した後の3段階で実施されます。
皆様のお近くの道路も同じように評価を受けています。

1)新規採択時評価

新規事業採択時評価の概要

新規事業採択時評価は、事業の効率性及びその実施過程の透明性の一層の向上を図るための評価です。どの事業を実施するかを決定する前と、本格的に事業を始める前に、効率性と効果を確認し、事業実施の必要性を厳しくチェックするものです。

新規事業採択時評価の流れ

1.事業採択の前提条件の確認

  • 投資効率は十分か(便益が費用を上回っているか)
  • 円滑な事業執行の環境が整っているか

2.費用対便益の確認

  • 総費用、総便益、B/C等を整理
  • 必要に応じて感度分析結果を整理

3.事業の影響・事業実施環境の把握

(当該事業の目的や地域の実情に応じて必要なものについて評価)

  • 渋滞対策上の効果が見込まれるか
  • 事故対策上の効果が見込まれるか
  • 歩行空間の安全性、快適性等の向上が見込まれるか
  • 災害対策上の効果が見込まれるか 等

4.事業採択の可否を判断

  • 事業採択の可否を判断

 

一般国道10号 中津バイパス(平成19年度)
一般国道212号 三光本耶馬渓道路(平成19年度)
一般国道210号 田原拡幅(平成17年度)

 

2)再評価

再評価の概要

再評価は、事業の効率性及び透明性の一層の向上を図るため、事業採択後5年間未着工及び10年間継続中の事業等について実施し、事業の継続もしくは中止等の方針を決定するものです。

再評価の流れ

1-1.事業の必要性等に関する視点

  • 事業を巡る社会経済情勢等の変化はどうか?、事業の投資効果は十分か?事業の進捗状況はどうか?等

1-2.事業の進捗の見込みの視点

  • 進捗が順調でない場合の理由は何か?今後の見通しはどうか?等

1-3.コスト縮減や代替案立案等の可能性の視点

  • 施設の構造や工法の変更等の可能性は?等

2.対応方針の決定

  • 「中止」、「継続(・見直し継続)」

客観性、透明性を確保するため、学識経験者等の第3者からなる事業評価監視委員会の意見を聴取し、その意見を尊重することとしています。

 

一般国道10号 古国府拡幅(平成19年度)
一般国道10号 別大拡幅(平成19年度)
一般国道57号 大野竹田道路(平成21年度)
一般国道10号 戸次犬飼拡幅(平成16年度)
一般国道10号 日田バイパス(平成14年度) -
一般国道387号 柿ノ木峠道路(平成14年度) -

 

3)事後評価

 事後評価の概要

事後評価は、事業の効率性及び透明性の一層の向上を図るため、完了した事業について、その効果、環境影響など実績の確認を行い、必要に応じて適切な改善を検討するとともに、評価結果を同種事業の計画・調査等に反映すること、並びに事業の成果に対する説明責任を果たすことを目的としています。

事後評価の流れ

1-1.事業の効果の視点(客観的指標による評価等)

  • 事業採択の前提条件に対応する項目の評価 (交通量の状況、コストの増減、事業期間の状況など)
  • 事業の効果や必要性に対応する項目の評価 (物流効率化の支援、都市圏の交通円滑化の推進など)

1-2.環境への影響の視点

  • 事業実施前に行った環境影響評価に対応する項目の評価
  • 事業を巡る状況の変化を踏まえ環境に関して評価すべきと判断した項目の評価

1-3.業を巡る社会情勢等の変化の視点

  • 関連する計画や事業の状況変化の評価
  • 人口・産業等の社会経済状況の変化の評価
  • 環境に関する状況変化の評価 等

2.改善措置の検討、同種事業の計画・調査等への反映

  • 客観性、透明性を確保するため、再評価にあたり設置された学識経験者等の第3者からなる事業評価監視委員会を活用して意見を聴取する仕組みを導入することとしています。

3.事業の成果の公表(道路IR等で公表)

  • 道路事業では他の事業に比べ供用の影響や効果を早期に確認することが可能であることから、事業の説明責任を果たすため、可能な限り速やかに事後評価を実施することとしています。
一般国道10号 旦の原交差点改良(平成17年度)

 

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