霧島山系概要

霧島山

霧島山は、主峰韓国岳(標高約1700m)を始め新燃岳、大浪池、高千穂峰、御鉢等、大小20余りの火山から構成される火山群の総称です。過去の噴火は、有史以来だけをみても西暦742年以来30回以上の記録が残され、中でも西暦788年、1235年、1566年、1716〜1717年には、多くの焼死者、集落の全滅、または神社の焼失等の大きな被害をもたらした噴火記録が残されています。

霧島屋久国立公園露島山は、全国的にも「景色のきれいなところ」で知られ、「霧島屋久国立公園」は雲仙、瀬戸内海とともに、昭和9年3月16日、日本最初の国立公園に指定され、世界的にも珍しい直列火山と言われています。火山のつくり出す景勝地等は、わが国を代表する観光地として訪れる人も多く、観光は地域の主要産業のひとつになっています。また、霧島山周辺で農林畜産業が盛んであることは、火山の産み出した豊かな土壌によるところも大きく、火山の恵みは地域の経済を支える重要な基盤となっています。

霧島屋久国立公園

霧島山は休眠中火山の作り出す景勝地や産み出した豊かな土壌等は、周辺地域に恵みをもたらす一方で、ひとたび活発な活動を関始すると地域に重大な被害をもたらすことは、桜島でみられた大正噴火、平成3年雲仙普賢岳の噴火などからも明らかです。霧島山も過去に大きな噴火を数多く繰り返してきた危険な火山ではありますが、昭和に入ってからは新燃岳で規模の小さな噴火が1回みられたのみで、犠牲者も出ていません。

噴火に起因する土砂災害数百年にわたって静穏な、あるいは規模の小さな噴火しかみられなかつた火山であっても、有史あるいは、それ以前にその火山で発生した規模の大きな噴火が再発することは、霧島山の過去の活動形態又は、わが国でみられる他の火山活動の事例から十分に考えられます。さらに、霧島山が急速に積み上がった地形を有するうえ、噴気による温泉変質作用が活発であるため、侵食に弱いという特徴も有しており、このため山体の侵食が活発で河川の荒廃が著しく、降雨に伴なう土砂移動の現象による災害の発生が懸念される渓流も多く分布しています。このように、静穏な火山という認識のもとに、高度な土地利用が行なわれている霧島周辺では噴火に起因する災害として土砂災害の危険にさらされています。

 

 


【担当課:工務第二課】

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