用語集

<用語解説>五十音順

越波(えっぱ)

台風等により生じた高波が、海岸に設置した堤防を越えること。
越波により背後の家屋や田畑等の浸水被害が懸念される。

海抜〔T.P.〕(かいばつ)

海面からの高さを表す表現で、全国の標高(地図上に記載されている高さ)の基準となっている。
記号はT.P(TOKYO Peil)と表示され、全国の基準を東京湾の平均海面T.P.±0mとしている。
Peilはオランダ語で「水準線」あるいは「基準」を意味する。

既往最高潮位(きおうさいこうちょうい)

潮位の観測開始から現在までの期間に記録された最高の潮位のこと。
宮崎海岸の既往最高潮位はT.P.+2.42m(1980(昭和57)年9月11日台風13号通過時)である。
なお、宮崎海岸の大潮期の満潮位は、T.P.約+1.0m、干潮位はT.P.約-1.0mである。

計画外力(けいかくがいりょく)

海岸の施設の計画を行う際に対象とする潮位や波の高さなどのこと。
宮崎海岸の場合、既往最高潮位に30年確率※の波高の影響を加味した高さが、背後地を防護する堤防の高さの水準となっている。
なお、宮崎海岸の30年確率波高は約14mである(参考:宮崎で波浪警報が発表される波高=6m)。

※毎年1年間に発生する確率が1/30(3.3%)である波の高さのこと。30年間に1回発生するのではなく、2回発生することもあれば、1回も発生しないこともある。サイコロに例えると、サイコロを振って1の目が出る確率は常に1/6だが、サイコロを6回振って2回以上1の目が出ることもあれば、1回も1の目が出ないこともあることと同じである。

洗掘(せんくつ)

波や流れによって堤防等の海岸施設の土台となる前面の土砂が削り取られること。
洗掘が進めば土台がぐらつくことになるため、施設自体が不安定になる恐れがある。

汀線(ていせん)

波打ち際のこと。潮位によってその位置は上下し、例えば満潮時と干潮時の中間の汀線を、平均潮位時の汀線と呼ぶことがある。

突堤(とってい)

陸から海に向け細長く伸びる堤防のことで、海岸線に沿って動く砂を止める働きがある。
宮崎海岸では、岸から延長300mの突堤と、効果の早期発現のための補助突堤(150m、50m)が計画されている。

バーム(ばーむ)

砂浜海岸にある微地形のひとつで、満潮位よりもやや高い箇所にできる少し盛り上がった堆積地形のこと。高波浪時に削られ、波が穏やかなときに徐々に堆積する。

浜崖(はまがけ)

砂丘や砂浜が波などで削られてできた崖面のこと。
宮崎海岸では、砂丘が削られてできた大規模な浜崖のことを指すことが多いが、全国的には砂浜が削られることでできる比較的小規模な浜崖を指す場合も多い。

浜崖後退量(はまがけこうたいりょう)

砂丘の浜崖面が波などで削られて、海側から陸側に後退した量(断面方向の幅)のこと。
宮崎海岸では、浜崖後退が始まると、最初は浜崖の高さが徐々に高くなっていく。侵食が砂丘頂部(最も高いところ)を越えてさらに進むと、砂丘は陸側に向けて徐々に低くなっているため、浜崖の高さも低くなっていく。
そのため、浜崖後退量が大きくなると、自然の堤防である砂丘の高さが低くなることが懸念される。

平均潮位(へいきんちょうい)

満潮時と干潮時の中間の潮位であり、潮位の観測記録を平均した値である。
宮崎海岸の平均潮位は海抜(T.P.)+0.15mである。

埋設護岸(まいせつごがん)

自然の堤防である砂丘がくずれないように、浜崖の根元を波から守る「砂の中に埋まった護岸」のこと。
宮崎海岸独自の用語であり、宮崎海岸の環境・景観・利用などの特性を考慮して計画された工法。

養浜(ようひん)

侵食された海岸などに、人工的に砂を供給して”砂浜を養う“工事のこと。
宮崎海岸では、陸上養浜、海中養浜が毎年実施されている。

養浜盛土(ようひんもりど)

サンドパック背後に行う盛土のことで、サンドパックとともに埋設護岸を構成し、浜崖の後退を防ぐ。その上に養浜を行うことで埋設される。

流砂(りゅうさ)

川の流れによって土砂が移動する現象、または移動する土砂のこと。
また、川の最上流の山腹斜面から河口、海岸までの土砂が移動する領域をまとめて流砂系と呼ぶ。


【担当課:海岸課】

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