大野川流域ネットワーキングからの提案

市民活動からの大野川河川整備計画にご提案

大野川流域ネットワーキング事務局長 幸野敏治

これからの大野川川づくり(主としてソフト面)

  1. 大野川をもっとよく知る(大野川の特性を知る)
  2. 情報を共有していく
  3. こどもの環境学習のお手伝いをする
  4. 大野川にもっと親しむ
  5. 行政とのパートナーシップを深める

 

1.大野川をもっとよく知る

川は地域によって、環境も流域の風土も歴史も、そこに育まれた文化もそれぞれの特性をもっています。大野川づくりも、その特性を生かしたものでなければなりません。その為に、以下のようなことをネットワークの力で調査・研究していきたいと思います。
大野川流域の歴史・自然環境・風土・文化・災害の歴史・漁法
そして、整理されたものをできるだけオープンにして、より多くの人たちに伝えるために、展示場所の確保・電子化・製本・ホームページの充実・大野川ニュースの発行・大野川ウォーキングマップなどが必要となります。

2.情報の共有

情報の共有は、大野川への関心を深め、川・地域を愛する心を育み、よりよい川づくりに繋がる大切なことです。また、こどもの学習、生涯学習などの貴重な情報として活用でき、そのことが、より広範な精度の高い情報を生み出すことになります。
情報にも、アカデミックな情報(学術的情報)、スタンダードな情報(行政の情報)、ポピュラーな情報(住民の情報)がありますが、それぞれが別個になっているでしょうから、誰れもが、全ての情報を共有できる仕組み(情報源情報)を整備する必要があります。

大野川はどのような川か(上記調査研究項目も含む)
大野川の危険なところは(氾濫域なども含む)
大野川環境白書みたいなもの
基礎情報
災害時の対応
川の名人など

3.こどもの自然学習

水辺の楽校が乙津川に計画されています。学習の場ができても、ソフト面が整備されていないと機能しません。また、小中学校での指導者は学校の先生と地域の人たちと一緒にならないと無理のようです。(既にネットワーキングの皆さんへの要望がでており、指導している人・コーディネートする人たちがいますが)。
副読本の整備・指導者育成・エクスカーショーンコーディネータ育成を早急に実施する必要がありそうです。水辺の楽校のハードづくりにも、この人たちの考えが反映されなければなりません。

4.大野川にもっと親しむ

親しめる川づくりをするには、もっと多くの人が多様な親しみ方をしなければなりません。そのためには、素晴らしい自然と景観をもつ大野川の良さを、多くの人たちに伝える必要があります。大野川散策マップは不可欠ですし、多くの人たちが大野川に親しむようになれば、散策道路、駐車場の整備などの意見がでてくるでしょう。
ただし、利用者が多くなればなるほど、利用者同士のトラブルの多発や、河川管理者の方の悩みも多くなるでしょうから、早めに川遊びのマナーづくりを皆の意見を出し合ってつくり、多くの人に知ってもらう必要があります。

5.行政と活動団体とのパートナーシップ

治水、利水、水と緑のネットワーク、川の特性などを考える時、川は流域を単位に考えなければなりませんが、大野川流域ネットワーキングも流域住民が一つになって連携されています。今後、流域を単位にした行政と住民の交流を深めていって、川づくりに対する思いを語りあえたらと思います。
また、治水面で整備がすすんでいる大野川では、自然環境,景観、親水面の河川整備が、これからの重要なポイントとなります。365日の川を考える際、地域住民の参加なしでは考えられません。私たち地域住民も責任をもって整備計画に参加し、施行後の維持管理の一端を担うのも地域住民の役割となります。
そのかたちと継続できる仕組みをつくるには、日常の行政と住民のパートナーシップを深めていかなければならないと思います。

 

どのような大野川であってほしいか

大野川桜つづみ愛護会

  1. 子供たちが安心して近寄れる大野川
    河口部に限定すれば、恵まれた広い河川敷を地域住民が有効に活用できる多目的広場を備えた緑と花ときれいな水辺のある川づくりが夢。下流部右岸に限れば実現できそう。
     
  2. 豊かな恵みを与えてくれる川、それはこれからも変わることはないであろうが、流域に暮らす我々が守り育ててこそ約束されるもの。自然環境の保護、水辺の植生、水中昆虫に至るまで配慮した川づくりと、保護活動が必要ではないだろうか。ひいてはそれが大分市民においしい水を供給することになる。
     
  3. いい汗を流しながら岸辺の清掃活動、河川敷を利用した花いっぱい運動をつづける中で、次の世代を生きる子供たちに川との関わりかた、水の大切さを伝えること。
     
  4. いま、大野川はどうなっているのか、源流から河口まで、本当に自然環境が守られているのか、植生、昆虫は昔ながらの区域に分布しているのか、他の河川と比較して何かおかしい姿になっていないか、等々流域ネット独自の調査をしてみたい。

松岡商工振興会

  1. 昔のように、500メートル〜1,000メートルごとに、4〜5メートルの深さの淵があったら、平日は魚の休み場、洪水のときは水流を和らげる
     
  2. 川魚が少なくなった。何故か。
    小石が少なくなった。砂が多いので魚の隠れ場所、遊びがなくなった。
     
  3. 水辺に行き着くところが少ない。
    舟遊びをしたいが川まで舟を運び込めない。

松岡地区

  1. どのような大野川であって欲しいか
     
    1. 大野川右岸の大在地区にあるような桜つづみを左岸側や乙津川の両岸全域に造成する。
      白滝橋から下流の両岸は桜(山桜がよい)の他に、エノキ、ムクノキ、アキニレ、タフツキ、ホルトノキ、ヒメユズリハなどの樹林からなる緑地帯をつくる。
       
    2. アユのように人が要求する特定の魚だけを放流して増やすのではなく、多種類の魚を増殖する対策が望まれる。(生態系のバランスに配慮した対応、そのためには学術調査の継続が必要)
       
    3. 堤防上の河口からの距離を示した石柱が埋められているようだが、500メートル毎に一般の人が分かる標識が欲しい。乙津川・大野川はウォーキングやマラソンコースとしての利用度が高まる。
       
    4. 大野川や乙津川の堤防に、河川敷の植物や鳥、あるいは魚介類の案内板があると、散策をより楽しめるようになる。また定期的に自然観察会を催す。
       
    5. 乙津川の乙津地区、鶴崎地区、森町地区の堤防には、デザイン街路灯を設置して、親水性を高める。
       
    6. 乙津川に「水辺の楽校」を造成する。河床に導水路をつくり、せせらぎや礫場、沼地などを配置して、水辺や沼地の植物や動物が育成できるように多様な生態系をつくり、地域の小中学校が自然観察、学習ができるように整備する。また乙津川の岩舟付近は釣り場を設け、幼魚を放流する。
       
    7. 上流域に自然林を広げる。スギ林を伐採した跡地にウラジロガラシ、アカガシ、コナラ、サワグルミ、シオジ、ケヤキ、カエデ類を植栽して自然林を復元するる。
       
  2. 自分達で挑戦していくこと
     
    1. 上流域と下流域の交流を深め、流域住民は同じ水系で生活する共同体意識の向上をはかる。文化の交流、農水産物の交流、ボランティアの交流(特に上流域の自然林復元に下流域よりボランティア支援)
       
    2. 環境保全(特に生活排水による)に努める。特に乙津川の流域は人口急増地である。しかも9キロメートルの乙津川へ31ヵ所の樋管が開口しており、家庭排水による水質汚染が懸念される。
       
    3. また、空缶、空びん、ビニールなどが堤防や河川敷に捨てられていたり、古い自転車や冷蔵庫などの大型ゴミが捨てられている。環境美化運動の実践強化が必要。
       
  3. ソフト面について
     
    1. 大野川を自然科学や歴史、文化、教育など、多方面からの調査研究を望む。特に自然については総合的・継続的な調査研究が必要。
       
    2. 調査研究で明らかになった資料を保管する大野川水系博物館のようなものが必要。またコンピューターで大野川を学習できるソフトの開発、あるいは大野川ガイドブック(自然編・歴史編・文化芸術編など)の作成が望まれる。全国的にPRする観光資源として活用することによって、地域の活性化を図る。

ふるさと戸次を元気にする会

青少年に夢を、壮年に活性を、お年寄りに感動を、をスローガンに、地域活性化と青少年の健全育成、ふるさとづくりを目的に活動している。特に大野川を活用した「豊の国たこあげ大会」「大野川手づくりイカダ川下り大会」などの計画から実施までの全面支援と開催時の河川敷の除草および清掃作業を行い、また、河川敷に花いっぱい運動の取り組みとして、コスモス等の植栽を行っている。この活動を継続していくことにより、大野川のすばばらしさを残していき、上流下流の連携を深めていきたい。

 

川の歴史を知り、水辺に親しむ心を育て、源流から河口までの流域に、住む人々は勿論、地域住民(大分市民)交流の場となる大野川を創造する。具体的な整備や施設の建設として次のものが考えられる。

  1. 『川の駅』の建設
  2. 親水広場(水辺の楽校)の整備
  3. 河川敷の整備(整地等)
  4. ウォーキングロードの整備(併せてフラワーロード)

 

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