大野川の河川整備は、水系を一貫として下記の基本理念・基本方針に基づき、地域・住民と連携を図りながら推進していきます。
本計画の対象とする区間は、下記の表3-1に示す直轄管理区間とします。
河川名 | 自 | 至 | 区間延長 |
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大野川 | 左岸:大分市大字竹中字小屋 4969番地の6地先 右岸:大分市大字上戸次字塩木 8365番地先 |
海に至る | 19.8km |
乙津川 | 大野川からの分派点 | 海に至る | 10.9km |
判田川 | 大分市大字下判田字屋敷田3942の8地先の国道橋 | 大野川への合流点 | 1.3km |
立小野川 | 大分市大字字屋敷田3942の8地先の国道橋 | 判田川への合流点 | 0.3km |
河川計 | 32.3km |
※)直轄管理区間とは背後地の重要性に鑑み建設省が管理する区間
本河川整備計画は、大野川水系河川整備基本方針に基づいた河川整備の当面の目標であり、その対象期間は概ね30年とします。
本計画は、現時点の流域の社会状況・自然状況・河道状況に基づき策定されたものであり、策定後のこれらの状況の変化や新たな知見・技術の進捗等の変化により、適宜見直しを行います。
大野川においては、昭和4年の直轄河川改修着手以来最大の洪水である平成5年9月洪水と同規模の洪水が発生しても、全川で洪水を安全に流下させるため、整備目標流量を図3―1に示すように基準地点白滝橋で9,500m3/secとします。この流量規模は概ね40年に1回発生する洪水に対しての治水安全度です。また、長期的な治水目標である概ね100年に1回発生する洪水に対しての治水安全度(基本高水のピーク流量11,000m3/sec)とするためには、流域内に1,500m3/secを調節する洪水調節施設が必要となるため、施設の効果的・効率的な配置計画や地形・地質等の調査・検討を行います。
図3-1 整備計画目標流量配分図 [単位 : m3/sec]
近年の出水で内水による被害が著しい地域については、内水氾濫による床上浸水等の被害の軽減を図ります。
大野川の排水樋管等で老朽化及び背後地の状況の変化等により所定の機能に今後影響が予測されるものについては、機能の確保を行い、災害の発生を防止します。
また、河道内での局所的な深掘れの進行による護岸、堤防等の崩壊を防止します。
さらに、計画高水を上回るような洪水の発生に対し、大きな被害が予想される箇所については、被害の軽減を図ります。
なお、洪水・高潮・地震時等には、情報連絡、点検の体制を整備し、迅速な対応を図ります。
河川水の利用については、本整備計画区間において許可水利権に基づいた適正な取水が行われているため、この状態を維持します。なお、河川水の利用の現況、動植物の保護、漁業等の流水の正常な機能の維持に努めます。また、渇水による影響の軽減に努めます。
現在良好な状況を保っている水質は、関係機関と連携し、その保全に努めます。
大野川を生息・生育の場とする多様な生物は、大野川が有する瀬や淵、湿地や洲、高水敷などの多様な河川形状と関係が強いと思われます。よって河川の自然環境に関する基礎データを系統的に収集整理し、河川の人工的な改変を極力抑えるよう努めるとともに、整備前のハマサジ等の植物群落の再生も念頭に置き、良好な水辺環境の保全に努めます。
また、都市部における広大な河川空間は、貴重なオープンスペースでもあり、利用等にあたっては地域社会からの多様なニーズに対し、沿川住民・自治体等と連携を図りながら利用と保全の調和に努めます。
さらに、河川の豊かな自然を活用した、河川とのふれあいや体験学習等の場については、関係機関とも調整を図り、自然環境との共生を前提として整備に努めます。