肝属川の水の多くは、お米づくりや野菜づくり、豚や牛を育てる為に使われています。ただ、水道水としては、ほとんど利用されていません。
雨が地下深くに染み込んで、地中にあるのが地下水です。肝属川流域を広く覆う「シラス」は水を通しやすい性質なので、表面は乾いていても、深い場所には地下水があるのです。
自由に水が使えるようになったのは、実はそんなに昔の話ではありません。それまで流域の人々は、たくさんの時間と労力を使って、どのようにしたら水を手に入れられるかに頭を悩ましてきました。
雨は天からに贈り物でした。1滴でも多く集められるように、雨が降り出すとみんなで水集めに走り回りました。
庭に穴を掘る
バケツやボールを持って水を集める
木の幹に枝をくくりつけて、水がたまるようにする
地下深くにある水を得るために、とても深い井戸があちこちで掘られました。水をくみ上げるのに、大人が何人もかかったり、牛を使ったりと、とても苦労しました。
竹で川から水を引こうという工夫も!あちこちで、もれたり、ゴミが入ったりと、トラブル続出。そこまでしても手に入れたいのが水だったのです。