肝属川の歴史

肝属川のなりたち

約200万年前、南九州一帯が姿を現し、肝属川が流れ始めた。

約200万年前の南九州

肝属川が生まれるきっかけになったのは、2000万年前頃から始まった海底の隆起*です。当時､海の底だった大隅半島を含む南九州一帯が少しずつ隆起して陸地に。その後、陸地はさらに盛り上がり、約200万年前に高隈山地が誕生します。ここに降った雨がいったん地下にたくわえられた後､地上に流れ出し、肝属川の源流となりました。

約2万5000年前、姶良火山の大爆発で流れが大きく変わった。

約2万5千年年前の南九州

約2万5000年前に、錦江湾にあった姶良火山が大爆発し、噴き出た火砕流*によって大量の火山灰が、当時、海抜わずか数メートルの低い土地だった笠野原大地に、数10メートルから数100メートルの厚さで積もります。流れを止められた肝属川は、南に向かって、流れる方向を大きく変え、まだ海だった現在の旧吾平町あたりに注ぐことになります。

約5000年前にほぼ現在の流れになった。

約5千年年前の南九州

約6000年前頃から肝属川の河口では、海面が少しずつ下がり始めて陸地が旧高山町、東串良町の方向へ広がっていくことで河口の位置が東へ移っていきました。同時に、上流から運ばれる土砂で沖積平野*も東に向かってできることで、今の流れが決まっていきました。

用語の解説

「隆起」
地球の表面を覆っている地面の層が盛り上がること。陸地が生まれる原因の一つになっています。
「火砕流」
火山が爆発した時に、地下から噴き出した高温のガスと火山灰、溶岩片などが混じり合い、黒い雲となって高速で、山の斜面や地面を覆い尽くして行く現象です。
「沖積平野」
川が上流から運んだ土砂が積もることで生まれる平野のことを言います。

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