大雨が降って洪水になると、本川(ほんせん:川の本流)の水位が上がります。すると、普段は本川に流れ込んでいる支川(しせん)や水路の水が、本川に流れ込めなくなってしまいます。行き場がなくなった支川や水路の水が、家や田畑に溢れ出して被害がでることを「内水被害」と言います。
水に浸かって通行出来なくなった道路
(平成9年・肝付町前田地区)
水に浸かった畑
(平成9年・肝付町西町地区)
本川の水嵩は低く、水路の水は本川に注いでいます。
本川の水嵩が水路より高くなると、洪水が逆流するのを防ぐ為にゲートを閉じます。すると、水路の水嵩がグングン上がります。
本川からの逆流を防ぐ為のゲートを閉じたことで、水路の水は行き場を失い、家や田畑に溢れ出します。
流域は台風の通り道にあたることが多く、毎年のようにたくさんの台風が、上陸し、大雨を降らせます。この流域では、大雨のおよそ70%が台風によるものです。
水源から河口までの距離が短い上に、その傾斜が急な為、水の流れるスピードが早く、いったん洪水になると、大きなエネルギーが堤防にぶつかり、危険な状態になりやすいのです。
堤防が、水に弱くて脆い「シラス」で作られている所が多い為、洪水に襲われると、壊れてしまい易いというハンディキャップを持っています。