城原川ダムの目的
城原川ダムは、城原川沿川の洪水被害を防ぐことを目的とした洪水調節専用ダム(流水型ダム※)で、昭和28年6月洪水と同程度の洪水を安全に流すことを目指して、基準地点である日出来橋地点における基本高水のピーク流量690m3/sを、城原川ダムにより360m3/sの洪水調節を行い、計画高水流量330m3/sに低減し、洪水被害の防止又は軽減を図ります。
※流水型ダム:洪水調節のみを目的とするダムで、現在の川の高さとほぼ同じ高さに放流する穴を設置し、平常時には流水の貯留を行わないダム
城原川ダムの形状・大きさ
城原川ダム(流水型ダム)

城原川ダムの役割
城原川ダムは、下流において洪水時のピークを低減させ、洪水被害の防止、軽減を図るほか、洪水時のピーク流量の発生時間を遅らせるため、もし、浸水が想定される場合においても、避難する時間を長く確保することができます。
城原川流量配分図(模式図)

城原川ダムによる洪水調節図(ダム直下流(仁比山地点))

城原川ダムの効果
城原川ダムの建設及び、城原川の河道整備が完成した際の事業効果として、昭和28年6月出水規模の洪水が発生した場合、事業の実施により浸水面積約4,900ha、浸水世帯数約15,600世帯を解消することができます。

城原川ダムの諸元
| 河川名 |
筑後川水系城原川 |
形式 |
重力式コンクリートダム |
| ダム名 |
城原川ダム |
ダムの目的 |
洪水調節【F】 |
| 堤高 |
約60m |
堤頂長 |
約330m |
| 集水面積 |
約42.5km2 |
天端高 |
標高123.0m |
| 総貯水容量 |
約355万m3 |
有効貯水容量 |
約350万m3 |
| 計画堆砂量 |
約5万m3 |
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- 重力式コンクリートダム
コンクリートダムの中で、一番多くつくられているダム。貯水池からの水圧を、ダム本体の重量で支える構造で、横から見ると直角三角形に近い形をしています。また、重い堤体を支えられる硬い地盤に造られます。
- 集水面積
降った雨がこのダムに集まってくる範囲の面積
- 総貯水容量
ダムに貯めることのできる総量(洪水調節容量、堆砂容量の合計)
城原川ダムは、洪水調節専用(流水型)ダムであり、常時は水を貯めません。
- 有効貯水容量
ダムの総貯水容量から堆砂容量を除いた容量
- ダムの目的
ダムには、水害を防ぐために洪水調節を行う【F】 、流水の正常な機能の維持【N】、農業【A】・上水道【W】・工業【I】などのために水をためて使うことや、発電【P】と、いろいろな目的があります。その目的を記号で示した“FNAWIP”アルファベットそれぞれがダムの目的を意味します。
- 堤高
基礎岩盤からダム天端までの高さ
- 堤頂長
ダムの一番高い部分の長さ
- 天端高
ダムの一番高い部分に高さ(標高)
- 計画堆砂量
100年間にダム貯水池に貯まる土砂量(城原川ダムの場合は、流水型ダムであり、常時貯水されていないため、100年後の貯水池内の河床の変化と洪水時に一時的に堆積する土砂量より算出)