■ 営繕業務の概要
官庁施設は、来訪者等の安全を確保するとともに、大規模地震をはじめとして災害発生時に災害応急対策活動の拠点として機能を十分に発揮できるものであることが必要となります。
そのため、国土交通省では、官庁施設の総合的な耐震安全性の確保はもとより、平成23年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震における被害を踏まえ、対津波対策にも取り組んでいます。
また、業務継続計画と整合した施設機能の確保、災害発生時の速やかな被災状況の把握と応急措置などについて、各省庁等の支援にも取り組んでいます。
「脱炭素社会の実現に資する等のための建築物等における木材の利用の促進に関する法律(通称:都市(まち)の木造化推進法)」の施行を受け、これまで以上に木材の利用を推進しています。
建築物は、その計画から建設、運用、廃棄に至るまで、大量の資材とエネルギーを必要とし、常に環境に負荷を与えています。
官庁営繕部では、官庁施設を新築する場合は、「官庁施設の環境保全性基準」に基づき、ZEBの実現を目指すなど環境保全性の水準を満たしつつ、脱炭素化を目指した施設整備等を実施しています。また、設備機器などの老朽更新時には、設備機器等のエネルギー消費の高効率化を推進しています。
官庁営繕部では、本格的な少子・高齢社会の到来を背景として、ユニバーサルデザインの実現を目指し、
高齢者・障害者等を含むすべての人が、安全に、安心して、円滑かつ快適に利用できる官庁施設を目指し、施設整備等を進めていくこととしています。
平成18年には「官庁施設のユニバーサルデザインに関する基準」を制定し、法令において求められる内容を満たすのみではなく、地域住民を含めた施設利用者等から意見聴取を行うユニバーサルデザインレビューの実施、
地方公共団体等との連携による周辺地域との一体的なバリアフリー化の実施などにより、すべての人が、安全に、安心して、円滑かつ快適に利用できることを目指した整備を推進しています。
熊本地方合同庁舎は、ユニバーサルデザインの考え方に基づく庁舎として整備しました。
整備にあたっては関係団体の方々に、多機能トイレ等の整備内容に対するご意見をいただく
「UDレビュー」を開催し、整備内容の改善を図りました。
国土交通省では、官庁施設と民間建築物等の整備を総合的かつ一体的に実施すべきと市町村が定める地区における「シビックコア地区整備制度」の活用などにより、 地域と連携した整備を推進するとともに、景観性に関する性能の水準を確保するための手順や体制に関する方針を示す「官庁営繕事業における景観検討の基本方針(案)(平成19年3月)」を策定し、 地域の歴史、文化及び風土の特性等を考慮した良好な景観形成に資する官庁施設整備を推進しています。
PFI(Private Finance Initiative:プライベート・ファイナンス・イニシアティブ)とは、公共施設等の建設、維持管理、運営等を民間の資金、経営能力及び技術的能力を活用して行う手法です。
民間の資金、経営能力、技術的能力を活用することにより、国や地方公共団体等が直接実施するよりも効率的かつ効果的に公共サービスを提供できる事業について、PFI手法で実施します。