豊かな自然や清流を守る努力は、成果を上げています。
これから求められるのは、流域を元気にしてくれる大野川です。
たとえば、こんなコミュニケーションを!
大野川の水は農業用水や工業用水、上水道用水などに利用されています。水量は比較的多く、現在のところ渇水による大きな被害はありません。
水質は、BOD値で見ると、九州の他の河川に比べて、比較的きれいな状態にあります。
※BOD:生物化学的酸素要求量。水の中の汚れ(有機物)を微生物が分解するのに必な酸素の量。水質を評価する時の指標として使われ、その数値が小さいほど良い水質と言えます。
課題としては
今後の人口増加等により、水の利用が増えることが予想され、それによる水質の悪化も考えられます。
市街地における河川空間は、都市部のオープンスペースとして、散策やスポーツ、釣りなど、多様な空間利用が行われています。
多様な利用ニーズと自然環境との調和が必要です。
大野川は豊かな河川環境を有しており、水辺の生態系、景観は私達にやすらぎとうるおいを与えてくれます。
(流域図のエリア1〜4における、自然環境や生態の特徴など)
塩水と真水がまざる汽水域となっており、ボラ、ハゼ類などの汽水・海水魚が生息しています。大橋左岸、大橋下流右岸には、 干潟が形成され、ハクセンシオマネキなどの干潟生物が生息しています。 また砂地にはハマヒルガオなどの砂丘植物も生育しています。
川が緩やかに蛇行して瀬や淵を形成しており、早瀬を好むアユが多く見られます。大橋下流はアユの産卵場となっています。河原にはオギの草地が広がりセッカなどの鳥やカヤネズミなどの小動物が生息しています。 大橋上流の竹林にはサギ類の集団ねぐらがあります。
川底は玉石に砂礫が混ざったもので、砂礫底に生息するカマツカ、ヌマチチブなどの魚が多く生息しています。水質はよく、清流を好 むサワガニが見られます。水際にはツルヨシやヤナギ林、竹林が分布し、小魚を捕まえるカワセミ、ヤマセミが見られます。
塩水と真水がまざる汽水域となっており、水際には大野川には少ないヨシ 原が発達しています。海原橋の上流には干潟が形成され、ハクセンシオマネキなどの干潟生物が生息しています。また、ハマサジ、フクドなどの塩水に耐える植物が生育しています。
人命、財産保護のため行う治水事業や、スポーツ広場等の河川利用と、環境保全との調和を図る必要があります。
現在、大野川では、河川清掃をはじめ、さまざまな愛護活動が行われています。
自然豊かな大野川を将来に残していくためには、地域の全体で連携を深め、大野川に接していくことが重要です。
平成10年8月、源流域から河口までの13市町村のボランティア団体などが集まり「大野川流域ネットワーキング」を結成。地域の発展、豊かな自然の保全、そしてその思いを永遠に継承していくことを目的に、上下流の交流、他流域との交流、流域情報の共有などの活動を進めています。
「大野川流域ネットワーキング」では、大野川の源流点に碑を建てたり、「犬江女太鼓」を結成し、河川敷を利用したイベントに出演するなど、多彩な活動を行っています。
火振地区
洪水が来ても、水の勢いを弱める効果(水制)で護岸を守ります。また、ワンドが形成され豊かな生態系がよみがえります。植生も着工前と同様に回復しており、生物の生息環境として期待できます。
堤防の強化や土砂の備蓄など、水防活動に必要な機能の整備を図った上で、堤防上に桜の木などを植えることで、安らぎのある水辺空間の整備を行っています。