菊池川水系河川整備内容

河川整備計画対象区間

河川整備計画対象区間

玉名市の整備内容

玉名市の整備内容

和水町の整備内容

和水町の整備内容

山鹿市の整備内容

山鹿市の整備内容

菊池市の整備内容

菊池市の整備内容

熊本市植木町の整備内容

熊本市植木町の整備内容

治水・利水

治水・利水の目標

◆菊池川流域では、過去より、水害が頻発している中、現在でも洪水に対して十分な安全度が確保されていません。そこで、昭和57年7月洪水等と同規模の洪水を菊池川本支川からはん濫させることなく、概ね安全に流下させる河川整備を目指します。
◆洪水時の被害を最小限に抑えるため、迅速かつ的確な防災情報の提供等を行うとともに、災害に強い地域を目指し、自助・共助・公助体制の構築等の危機管理体制の充実を目指します。
◆堤防や水門等の施設の機能及び河道の治水機能を維持するために、的確な管理を行います。
◆河川の適正な利用及び流水の正常な機能の維持に努めていきます。

外水対策

現状と対策

■堤防が完成している箇所であっても、河道の流下能力が不足している箇所や横断工作物により洪水が安全に流れてない箇所があり、さらに改修が必要となっています。
■度重なる洪水の経験に基づいて堤防は造られており、堤防整備による安全性の確保がますます必要となっています。

堤防整備

●引堤や堤防の整備にあたっては、効率性や社会的影響等に配慮し、将来計画の堤防断面で整備します。
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堤防強化対策

●洪水における浸透や侵食、地震に対する安全性の照査を実施した結果を踏まえ、所定の安全度が不足している場合は必要に応じてドレーン工法などの対策を実施します。
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河道掘削・樹木伐開

●河川整備計画の目標流量を安全に流下させることができない箇所について河道掘削、樹木伐開を行います。
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橋梁の架替及び堰の改築

●洪水の流下を著しく阻害している橋梁、堰等の横断工作物を河道掘削等と併せて改築します。
●堰改築にあたっては、魚道を設置し、魚類等が河川を自由に遡上、降下できる生息環境の改善を行います。
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水利用

現状と対策

■水利用は、ほとんどが農業用水・発電用水であり、全体の約97%を占めています。
●菊池川の水利用は、流域外や県外まで供給しており多岐にわたり利用されていることから、適切な水利用、調整及び連携が求められています。

適切な水利用

●流水の正常な機能の維持等を図るため、竜門ダムから不特定用水を補給するとともに、適正な水利用と河川環境の調和を図るため、河川流量の管理及び取水量等を把握します。

渇水対策

●渇水等の被害を最小限に抑えるため、情報提供、情報伝達体制を整備するとともに、水利使用者相互間の水融通の円滑化に向けた取り組みを関係機関及び水利使用者等と連携して推進します。
●対策が必要な場合は、行政及び水利関係者で構成する「菊池川水系渇水調整連絡会」を開催し、適切な水利用がなされるよう、必要に応じて取水制限及び水源施設の総合運用等の渇水調整を行い渇水被害の軽減に努めます。

環境

環境の目標

◆菊池川の多様な動植物が生息・生育・繁殖する河川環境と良好な河川景観等を保全します。
◆地域住民の憩いの場となる水辺空間等を地域住民や関係機関と連携しながら創出していきます。
◆水質の保全と向上を地域住民や関係機関と連携しながら進めていきます。
◆菊池川を次世代に引き継いでいくために、学校関係者、自治体、住民団体と連携しながら、河川環境教育等を行います。

河川環境

現状と課題

●菊池川の河川環境は、下流域の「干潟」、中流域の「河畔林・山付き林」、中流域〜上流域の「瀬・淵」により特徴づけられます。また国指定天然記念物の「菊池川のチスジノリ発生地」や、環境省の「日本の重要湿地500」に指定された河口部など、豊かな自然がみられます。

多様な水辺・水域の環境の保全

●瀬や淵、ツルヨシ群落などの水際植生、河畔林など、多様な動植物の生息・生育基盤となっている環境を保全します。
●河道掘削を行う箇所は、基本的に平水位以上を掘削し河床をそのまま残すことで、アユの産卵場となっている瀬を保全します。その際は掘削面を緩勾配とし、起伏をもたせることで水際植生の生育に配慮します。
●樹木を伐採する際には、一度に全て伐採するのではなく段階的に伐採し、生物の利用状況を考慮して伐採することで急激な改変を緩和します。また淵に面している河畔林・山付き林は極力伐採せずに保全します。
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生物の利用・景観に配慮した河川整備

●河川整備にあたっては、河川の自然の営みを視野にいれ、生物の生息・生育環境や河川景観の保全・創出を目指す「多自然川づくり」を継続的に実施することで、水際の豊かな環境や美しい景観に配慮します。
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環境保全

現状と課題

●確認されている特定外来生物のうち、ブラジルチドメグサは菊池川流域で増加しており、在来の水草の生育場を奪ったり、洪水を流す際の妨げになったり、有明海に流れ出して海苔養殖へ悪影響を及ぼすなど、各方面に被害を及ぼすおそれがあります。
●菊池川の水質は環境基準値をおおむね満足しています。
●流域内の人口増加や畜産業の振興により環境基準を満足してなかった合志川でも、近年は環境基準値程度となっています。
●菊池川では、水質浄化を目的として、平成4年に全国で初めて流域単位での統一した条例「菊池川を美しくする条例」が制定・施行され、自治体の枠を越えた水質浄化活動が進められています。

在来種の保全

●関係機関と連携して、外来種の移入を回避したり必要に応じて外来種の駆除を実施することで、在来種の生息・生育環境の保全に努めます。
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良好な水質の保全

●生物の生息環境や水利用への影響を把握するために、現在の水質調査を継続し、「菊池川水系水質汚濁対策連絡協議会」や地域住民との情報共有化に努めます。
●水質事故発生時にはオイルフェンスや吸着マット等の設置による被害の拡散防止を図ります。
●地元市町等と連携して水質改善に向けた啓発活動にも努めます。
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歴史・文化

歴史・文化の目標

◆菊池川流域で加藤清正の「石はね」、「ハゼ並木」といった現在も受け継がれている歴史、文化を保全し、次の世代に継承します。
◆既存の観光資源と連携しながら、新たな歴史、文化、観光が創出される川づくりを目指します。

河川景観

現状と課題

●多様な景観を尊重し、今後もこれまでに形成されてきた景観に配慮した川づくりを行い、美しい景観を次の世代に引き継いでいくことが求められています。

河川景観の維持・形成

●流域の特性、土地利用、地域の歴史・文化等との調和を図りつつ、川づくりを進めていきます。また、地域との連携を強化し、魅力ある川づくりの推進に努めます。
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