菊池川水系河川整備基本方針の概要

河川整備基本方針は菊池川水系における治水、利水、環境等の河川管理の長期的な方針を総合的に定めるものです。その内容には、既定計画の工事実施基本計画(以下、工実)で記述のなかった河川環境の整備と保全や維持管理等に対する考え方も新たに記載しています。

河川の総合的な保全と利用に関する基本方針

@災害の発生の防止または軽減に関して(治水等)
【河川整備】
河川整備の目標流量に関しては既定計画の工実と同様とする。
基本高水流量:4,500m3/s、計画高水流量:3,800m3/s(いづれも基準地点玉名)
流域の豊かな自然環境や地域の風土・歴史等に配慮しながら、樹木伐開、堤防の新設、拡築、河道掘削等により河積を増大させるとともに護岸等を整備する。
また、流域内の洪水調節施設により洪水調節を行う。

【維持管理】
堤防、洪水調節施設、堰、排水機場、樋門等の河川管理施設の機能を確保するため、巡視、点検、維持補修、機能改善等を計画的に行い、常に良好な状態を保持するとともに、施設管理の高度化、効率化を図る。

【被害軽減対策】
洪水氾濫等による被害を極力抑えるため、既往洪水の実績等を踏まえ、洪水予報及び水防警報の充実、水防活動との連携や支援等総合的な被害軽減対策を関係機関や地域住民等と連携して推進する。
A河川の適正な利用及び流水の正常な機能の維持に関して(利水等)
【水量の確保】
広域的かつ合理的な水利用の促進を図るなど、今後とも関係機関と連携して農業用水等と流水の正常な機能の維持に必要な流量の確保に努める。

【渇水時の調整】
情報提供、情報連絡体制を整備するとともに、水利使用者相互間の水融通の円滑化などを関係機関及び水利使用者等と連携して推進する。
B河川環境の整備と保全に関して(環境等)
【自然環境の保全と整備】
菊池川の清らかな流れと豊かな自然が織りなす良好な河川景観を保全するとともに、多様な動植物が生息・生育・繁殖する自然環境を保全及び創出し、次世代に引き継ぐよう努める。
また、整備にあたっては、地域住民や関係機関と連携しながら地域づくりにも資する川づくりを推進する。

【河川利用】
流域住民の生活基盤や歴史、文化、風土を形成してきた菊池川の恵みを活かしつつ、川や自然とのふれあい、カヌー等の河川利用、環境学習の場の整備・保全を図る。
また、住民参加による河川清掃、河川愛護活動を推進するとともに、防災学習や河川利用に関する安全教育、環境教育等の充実を図る。

【水質】
河川の利用状況、沿川地域の水利用状況、現状の環境を考慮し、下水道等の関連事業や関係機関との連携・調整、地域住民との連携を図りながら、現状の良好な水質の保全と改善に努める。
注)上記については、基本方針の概要を説明したものであり、法定計画となる「河川整備基本方針本文」の文章とは異なる表現となっている部分があります。
国土交通省 九州地方整備局 菊池川河川事務所 All Rights Reserved.