i-Constructionの取り組み

生産性向上のチャンス

労働力過剰を背景とした生産性の低迷

  • バブル崩壊後、建設投資が労働者の減少を上回って、ほぼ一貫して労働力過剰となり、省力化につながる建設現場の生産性向上が見送られてきた。

生産性向上が遅れている土工等の建設現場

  • トンネルなどは、約50年間で生産性を最大10倍に向上。一方、土工やコンクリート工などは、改善の余地が残っている。(土工とコンクリート工で直轄工事の全技能労働者の約4割が占める)

依然として多い建設現場の労働災害

  • 全産業と比べて、2倍の死傷事故率(年間労働者の約0.5%(全産業約0.25%))

予想される労働力不足

  • 技能労働者約340万人のうち、約110万人の高齢者が10年間で離職の予想

労働力過剰時代から労働力不足時代への変化が起こりつつある

建設業界の世間からの評価が回復及び安定的な経営環境が実現し始めている今こそ、抜本的な生産性向上に取り組む大きなチャンス

 

i-Constructionの取り組み

i-Construction を進めるための視点を踏まえて、国土交通省は、「ICT の全面的な活用(ICT 土工)」、「全体最適の導入(コンクリート工の規格の標準化等)」、及び「施工時期の平準化」をトップランナー施策として進めることとしている。

 

ICT の全面的な活用

  • 調査・測量、設計、施工、検査等のあらゆる建設生産プロセスにおいてICTを全面的に活用
  • 3次元データを活用するために各種の新基準や積算基準を整備
  • 国の大規模土工は、発注者の指定でICTを活用/中小規模土工についても、受注者の希望でICT土工を実施可能
  • 全てのICT土工で、必要な費用の計上、工事成績評点で加点評価

 

 

 

全体最適の導入(コンクリート工の規格の標準化等)

 

  • 設計、発注、材料の調達、加工、組立等の一連の生産工程や、維持管理を含めたプロセス全体の最適化が図られるよう、全体最適の考え方を導入し、サプライチェーンの効率化、生産性向上を目指す
  • 高流動コンクリートや鉄筋のプレハブ化およびプレキャストの適用範囲拡大などについてガイドラインを策定
  • 部材の規格(サイズ等)の標準化により、プレキャスト製品やプレハブ鉄筋などの工場製作化を進め、コスト削減、生産性の向上を目指す
  • 現場打ちコンクリート、コンクリートプレキャスト(工場製品)それぞれの特性に応じ、施工の効率化を図る技術の普及によってコンクリート工全体の生産性向上を図る

コンクリート生産性向上検討協議会(外部サイト)

 

施工時期の平準化

  • 公共事業は第1四半期(4~6月)に工事量が減少して、偏りが激しい
  • 適正な工期を確保するための2ヵ年国債を設定 H29当初予算においてゼロ国債を初めて設定

 

i-Construction(ICTの全面的活用)の全体イメージ

ICT施工の工種拡大、現場作業の効率化、施工時期の平準化に加えて、測量から設計、施工、維持管理に至る建設生産プロセス全体を3次元データ(デジタルデータ)で繋ぎ、新技術、新工法、新材料の導入、利活用を加速化するとともに、国際標準化の動きと連携

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