遠賀川河口域不法係留船対策－不法係留船対策の経緯

　遠賀川は九州北部を代表する河川であり、水と親しむ憩いの場として多くの方々に幅広く利用されています。しかし、バブル期にプレジャーボートの所有台数が増加した結果、河口部周辺の河川区域内（遠賀川、西川、江川、戸切川、吉原川）において、多数の船舶が係留されるようになりました。

　その結果、周辺地域の住民に対する騒音やゴミなどの被害が大きな問題となっているほか、河川に係留された船舶は、台風や大雨高潮等の際に河川の安全な流下を阻害する障害物となったり、護岸等を破損する原因となったりするなど、大きな災害をもたらす可能性が高いことから、河川管理上も大きな問題となっています。

　こういった状況を踏まえ、今後、河川管理者である国土交通省遠賀川河川事務所及び福岡県北九州県土整備事務所は、遠賀川河口域に、係留船を積極的に係留規制（強制撤去を含む）していくための重点的撤去区域を設定し、秩序のある安全な河川空間にしていくこととしています。

　そのため河川管理者は、平成21年度から、国、自治体（芦屋町・遠賀町）、地域住民、漁協、船舶使用者等からなる、遠賀川下流部利用者会議（旧・西川利用対策会議）を開催し、地域の方々の意見を踏まえ、重点的撤去区域の設定方法を検討してまいりました。

　その結果、行政機関を中心とした「遠賀川河口域利用対策協議会」を開催し、学識経験者および関係機関からの意見を踏まえ、所定の手続きを経て、平成23年2月に「遠賀川河口域における不法係留船対策に係る計画」を策定し、あわせて国土交通省九州地方整備局・福岡県知事名にて公示を行いました。

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