大鶴湖周辺の水生昆虫、貝類、甲殻類

 大鶴湖およびその周辺の川で2015年に行った調査では、166種類の水生昆虫や貝類、エビ・カニなど甲殻類が確認されました。

大鶴湖の湖底ではイトミミズやユスリカが多く見られ、周辺の川ではカゲロウやトビケラなどの生き物が多くみつかりました。

『きちょうな生き物』ではコガタノゲンゴロウが見つかりました。

 

大鶴湖周辺にすんでいる水生昆虫、貝類、甲殻類 一覧

スジエビ

エビ目テナガエビ科(大きさ3cm)

体の黒の帯模様が名前の由来。石や水草の茂みの中に潜み夜になると動きだす。指標生物。

 

ミナミヌマエビ

エビ目ヌマエビ科(大きさ3cm)

日本固有種。水草の多い川や池、湖のようなところに生息する。雑食性で付着藻類などを食べる。

鹿:準絶滅

 

ニッポンヨコエビ

名前はエビだが、エビのなかま(エビ目)ではない。水草がしげるきれいな池や沼の石や落ち葉の下にすむ。汚れた水に弱い。

 

サワガニ

清流域や沢で見られる。夜行性で昼間は石などの影に隠れている。きれいな水の指標動物。

 

カワニナ

盤足目カワニナ科(大きさ3cm)

川にすむ代表的な巻貝。ゲンジボタルの幼虫のエサとしてよく知られている。指標生物。

 

モノアラガイ

モノアラガイ目モノアラガイ科(大きさ2cm)

川や池、水田の水草や石の上に生息する小型の巻貝。付着藻類を食べる。オスとメスの区別がない(雌雄同体)。

環:準絶滅  鹿:準絶滅

 

サカマキガイ

モノアラガイ目サカマキガイ科(大きさ1cm)

モノアラガイに似ているが、殻の巻き方が逆の左巻きである。汚染や環境の変化に強い。オスとメスの区別がない。指標生物。

 

スクミリンゴガイ

原始紐舌目リンゴガイ科(大きさ4cm)

南米原産の巻き貝。食用として持ち込まれたものが捨てられて野性化した。ピンク色の卵を産む。別名はジャンボタニシ。

 

ウルマーシマトビケラ

トビケラ目シマトビケラ科(大きさ1cm)

川の瀬に多く、石の表面やくぼみに巣をつくる。頭と胸の背面は硬く茶褐色、腹部には枝状のエラがたくさんある。

 

フタスジモンカゲロウ(幼虫)

カゲロウ目モンカゲロウ科(大きさ2cm)

川の上流域で砂泥の場所にすむ。羽毛状のエラが腹部の前半分についているように見える。藻や落ち葉の破片を食べる。

 

シロタニガワカゲロウ(幼虫)

カゲロウ目ヒラタカゲロウ科(大きさ1cm)

体全体がひらたく、目は頭の上方にある。幼虫は名前に似合わず全身黒っぽい。石表面の藻類を食べる。

 

ムカシトンボ

トンボ目ムカシトンボ科(大きさ2cm)

日本固有種で生きている化石といわれる。山間部の渓流に生息する。幼虫は5~8年過ごして成虫になる。

鹿:準絶滅

 

オニヤンマ(幼虫)

トンボ目オニヤンマ科(大きさ4cm)

幼虫(ヤゴ)は、小川や湿地の落ち葉や砂泥の中に生息している。肉食性で、昆虫や小魚を食べる。

 

ミズカマキリ

カメムシ目タイコウチ科(大きさ4cm)

川の流れのない水際や池にすむ。水生昆虫が近づいてくるとカマキリのような前足で捕まえて、体液を吸う。指標生物。

 

ゲンジボタル(幼虫)

コウチュウ目ホタル科(大きさ3cm)

体は黒色でイモムシのような形をしている。エサとなるカワニナがすめる川に生息する。幼虫も発光する。指標生物。

 

コガタノゲンゴロウ

オサムシ目オサムシ科(大きさ3cm)

背は黒色か黒褐色で、緑色の光沢があり黄褐色の縁取りがある。魚やカエルなどの死骸を食べる。

環:危惧 II 類  鹿:準絶滅

 

 

きれいな水の見分け方

生き物は、それぞれの生活に適した場所にすんでいて、湖や池のように水が溜まった場所にすむものや、川のように流れている場所にすむものがいます。

また、水のきれいな場所にしかすめないものや、汚い場所を好んで生活しているものもいます。

そのため、どのような生き物がすんでいるかを調べることで、その場所の水のきれいさの度合いを知ることができます。

このように、水のきれいさがわかる生き物を、『指標生物』といいます。ここでは『水生生物による簡易水質調査』の方法を紹介します。

『水生生物による簡易水質調査』では、水のきれいさの度合いを、『きれいな水』、『少し汚い水』、『汚い水』、『大変汚い水』の4段階(階級)に分けます。

見つかった指標生物のうち、数が1番多かったものと2番目に多かったものを2点、そのほかのものを1点とし、それぞれの階級ごとに点数を合計し、1番多かった階級がその地点の水のきれいさの階級になります。

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