福岡国道が管理する国道約315kmは、橋梁が9%、トンネルが1%、土構造が90%を占めています。
橋梁については、建設から50年以上経過したものが約39%を占め、平均年齢は44歳。
更に、福岡国道の50年以上経過した橋梁の割合は、10年後には53%、20年後には70%まで急激に増加していきます。
橋梁等の道路構造物は、老朽化による損傷を早期に発見するために、5年に1回の近接目視による定期点検を実施しています。
(新設橋梁は、供用後2年以内に初回点検)
点検の結果、損傷状況に応じて9段階の対策区分に判定しています。福岡国道の橋梁については、速やかに補修を行う必要がある「C(C1,C2含む)」と判定された橋梁が、全体の約22%となっています。
笹子トンネル天井板落下事故を踏まえ、国土交通省では、平成25年を「メンテナンス元年」と位置付け、ストックの総点検や道路法改正による点検基準の法定化等を行いました。そして、平成26年を「メンテナンス実行の年」として、メンテナンスサイクル(点検・診断・措置・記録)を本格導入するために、メンテナンスサイクルを確定(道路管理者の義務の明確化)、メンテナンスサイクルを回す仕組み(道路メンテナンス会議の設置等)を構築しました。
橋梁・トンネル等の5年に1度の近接目視による定期点検を着実に推進するとともに、点検結に基づいた措置を計画的に実施します。
福岡国道管内の橋梁は、平均年齢44歳と高く高齢化に直面しており、全国の先駆者として先進技術を活用しつつ老朽化に取り組み、その培った技術力を積極的に発信し、全国の直轄国道への貢献はもちろん、自治体支援にも積極的に活かしていくことが求められています。このため、若手技術職員のメンテナンス技術力向上のため、若手技術職員1人1人に管内の老朽化橋梁を割り当て、点検から補修までの基礎知識の習得や現場作業、日常からの確認を行う「老朽化橋梁の里親活動」に取り組んでいます。
当事務所管内の道路の整備や管理に長年携わってきた方々に、豊富な経験等を生かして情報提供などに協力して頂く「福国橋守マイスター」を試行しています。具体的には、当事務所を経験された退職者でメンテナンスの経験豊かな方々からなるボランティアグループ「福国橋守マイスター会」に、居住地近郊で見守りが可能な橋梁を担当して頂き、目視可能な範囲で、橋梁の不具合(舗装の凹凸・クラック、段差、ジョイントの破損、高欄の異常等)を速やかに通報して頂いています。
更新日:令和元年5月13日